デザイナーが入って変わる、10Xのプロダクト開発プロセス

2021/4/21



2021年2月、Stailer事業を開始して以降、はじめてのデザイナーが10Xに入社しました。

それまでStailerでは、CTOである石川洋資 @_ishkawaがプロダクトデザインを担当。デザインのベースをつくり、それをもとに開発を進めていました。「だったら、デザイナーは不要じゃない?」とツッコまれそうですが、過去のブログでも石川は「専任のデザイナーが必要」と言及しているのです。

では、Stailer一人目のデザイナーとして日比谷すみれ @suuminbotが入社した今、開発体制はどうなったのでしょうか?

デザイナーの視点から見た10Xのプロダクト開発プロセスの「余白」と、Stailer事業の面白さについて聞きました。

プロフィール

石川洋資 @_ishkawa
Co-Founder, 取締役CTO
大学にて経営工学を専攻。在学中にスタートアップの創業メンバーとなり、iOSアプリの開発に取り組む。大学卒業後は面白法人カヤック、LINE株式会社、株式会社メルカリで新規アプリの開発に携わる。その後、メルカリで同僚だった矢本と株式会社10Xを創業し、CTOとしてプロダクト開発全般を担当する。

日比谷すみれ @suuminbot
Designer
株式会社グッドパッチにてシニアUIデザイナー兼PMとして複数の企業のプロダクト開発に携わる。その後、ファンズ株式会社にて貸付投資のオンラインマーケット「Funds」の立ち上げ・運用改善を経て、2021年2月より10Xに入社。


エンジニアで完結していたプロダクト開発プロセス



石川:以前までの10Xでは、エンジニア11名で、それぞれ必要なことを自主的にやっていくようなスタイルでした。

デザインに関しては、基本的には僕がUXの全体像を描いた上でFigmaでインターフェースのデザインを行い、エンジニアたちが実装していく流れでした。

今、10Xが注力しているのはチェーンストアECの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer」です。これは2020年9月にクローズした献立アプリ「タベリー」をもとに誕生したものだったので、最初はレシピが全面に出るようなデザインだったんです。

実装してみて「これじゃない」と感じたら直したりして、最終的にはスーパーの売り場にフォーカスした今のデザインに落ち着きました。

「ネットスーパーで買い物をする」という一連のUXを提供することは実現できましたが、より良いUXを提供したり拡大するStailerのシステムにあわせてデザインも拡張していくには専任のデザイナーに任せられるのがベストだと感じていました。

また、質の高いアウトプットを出すには、それなりに時間をかける必要もあります。僕は開発も担当していたので、デザインに多くの時間を割けるわけでもなかった。そんな危機感が募るなか、入社してくれたのが日比谷さんでした!



日比谷:光栄です!CEOの矢本さんのことを以前からTwitterでフォローしており、10Xのことは創業のタイミングから知っていました。特に、10Xが発信するカルチャーやプロダクト開発に対するスタンスにはどれも深く共感しており、以前から素敵だなーと思っていました。

2020年の夏に矢本さんからお声がけいただいたのですが、その時点では転職を考えておらず。11月ごろに私から「まだデザイナーって募集していますか?」と声をかけたことをきっかけに、今に至ります。

トライアル開始直後に感じた「余白」


日比谷さんトライアル初日に実施した、開発中プロダクトのデモの様子

石川:10Xではどのポジションの方も選考フローにトライアル期間を設けています。相性や正確な評価を、お互いが十分にできるようにするためにやっているのですが、日比谷さんの場合は3週間みっちり時間を取っていただいて。ただ、もう3日目くらいには「ぜひ入社してほしい」とオファーさせていただきましたよね。

日比谷:緊張して参加していたので、石川さんから1on1を設定されたときはもう駄目か…と思いましたが、実際は「オファーを出すつもりです」という話でほっとしました(笑)。

石川:実際にトライアルとして会社の中に入り業務をすることで感じたことはありますか?

日比谷:まずトライアルで仕事を始めるまでは、一体自分にできることって何かあるんだろうか…という不安な気持ちでいっぱいでした。

というのも、外部からはN1インタビューのような定性リサーチからインサイトを抽出し本質的な課題を探りに行くプロセスが既に存在していて、プロダクトでの課題解決もエンジニアだけで良い感じに回っていそうだなと見えていたんです。

ただ、仕事をはじめてみるとデザイナーとしてプロダクト開発プロセスに貢献できることはすごくたくさんありそう、とすぐ実感しました。

石川:実はそれは受け入れ側としても実感していました。日比谷さんがトライアルを開始して数日で、デザイナーが入ることでチームとしてのスループットが大幅に向上すると思いましたね。

日比谷さんから見てどういった点がより良くなりそうと感じましたか?


トライアルの際にユーザー・店舗スタッフそれぞれのユーザー体験のすり合わせや課題洗い出しを行った時の図

日比谷:業務開始後すぐに貢献できそうと気づいたのは、お客様・店舗スタッフそれぞれのカスタマージャーニーを考慮したUXのグランドデザイン作成、コンセプト検証のためのプロトタイプ作成・検証を通じたイテレーションを回すこと、UIデザインの品質向上や選択肢の深堀りです。

UXデザインをチーム全体で進めるためのたたきを作って議論をまわすファシリテーター的な役割をしつつ、自分でゴリゴリUIを作っていく、そんなイメージです。

石川:まさに日比谷さんが自身の入社エントリで書いていましたが、ダブルダイヤモンドの図の深度を深めるような感じですね!


実装前の段階でFigmaのプロトタイプ機能を使って実機で触っての検証を実施するように。検証サイクルのスピードが以前よりも更に上がりました。

デザイナー入社後変わったこと

日比谷: 私が入社して2ヶ月が経ちましたが、石川さんから見てプロダクト開発プロセスで変わったなーと思うことはありますか?

石川: 2020年5月にStailerをリリースしてからもうすぐ1年というタイミングで、現在社内では同時進行的に複数のプロジェクトが走っています。プロダクトが拡大するタイミングでUXの品質を高い水準で保つ役割を日比谷さんにお願いできるのはとても心強いなと思っています。

また、これまでは機能開発の際にエンジニアが各自でUIを考えて実装していましたが、日比谷さんが入社して以降、多くの場合で日比谷さんにお任せするか、エンジニア側でUIを作ったとしてもリリース前に相談するようになりました。このことで、エンジニアの開発体験も早く、品質を保てるようになったなと感じています。

デザイナーの視点から見たやりがい、課題



石川: デザイナー視点で、10Xで働く上でのやりがいはどんなことがありますか?

日比谷:一番はデザインの対象が幅広く深いところでしょうか。
10XではStailerの事業を通じて、お客様が使うネットスーパーはもちろん、その裏側を支える業務系のアプリや管理画面も新たにデザイン・開発しています。

ネットスーパー自体の体験もまだ良くできる余地が山ほどあるし、今後やりたいこともたくさんあります。業務系はそもそもこれから作っていくところなので、ゼロからパートナー企業の現在のオペレーションを現地で体験させてもらうなど学ぶことが多々あります。この幅広さと深さにやりがいを感じています。

また、プロダクト開発チームはもちろん、事業開発やコーポレートと全社そろって10Xを実現していくチームが構成されていることも心強いなと日々実感しています。

石川:今後、Stailerのパートナー企業は続々と増えていきます。イメージとしては、様々な機能のブロックをつくり、その組み合わせをStailerとしてパートナーへ提供していくというもの。Stailerそのものもまだβ版。「どういうものをつくるのか」「組み合わせるのか」そんなロードマップを考えているところです。

日比谷:自分一人ではすごいスピード感で拡大していくStailerを高い品質でカバーしきれないので、デザイナーもチームとなってこの大きくて深い事業のデザインを「背中を合わせ」て前進させていきたいです。

Stailerの拡大を一緒に進めていくデザイナーを募集しています



石川:実は日比谷さんが入社するまで、デザイナーは当分ひとりでいいかなと思っていたんです。ところが、デザイナーが複数人のチームになることで、飛躍的にStailerが成長できると確信して、2人目、3人目を絶賛募集中です。日比谷さんから見て、10Xにはどんなデザイナーが必要だと思いましたか?

日比谷:ソフトスキルでは、リーダーシップが重要です。このデザインでいくぞ、と決めるためにはエンジニアやプロダクトマネージャーに限らず、BizDevメンバーともコミュニケーションを取って仕様を詰めたり、ワークショップのファシリテーションをしたり、社内のメンバーを巻き込む場面がたくさんあります。また、プロダクトデザインに関する一連のプロセスを経験していることも重要です。

石川:日比谷さんは入社後、未経験な領域に何度も挑戦してもらっています。これまでの延長線上にはないことを学ぶのが楽しいと思える人は、相性がいいポジションかもしれませんね。小売業界の事業を理解したうえで、サービスを通じていい体験を提供することに価値を感じている方と働きたいです。

10Xは小売業界のDXを目指しています。そうすると数十年単位で挑むことになるわけですが…まだまだその入口にいると思っています。アプリ開発は、我々の得意分野です。今後はもう少し現場のオペレーションやオフライン領域へ踏み込んでいくことになります。なので、今はちょうど2歩目を踏むために足をあげたくらいなんです。

日比谷:私は今回、「特定領域におけるスタンダートとなるUXを作りたい」と思って10Xに入社しました。小売事業のDXを果たすためにデザイナーとして貢献できることは山のようにあるなと日々実感しています。自分自身もいちデザイナとしてバリューを発揮できるよう頑張ります!

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