小売業界歴27年のBizDevが確信した10XとStailerの可能性

2023/7/25

「ネットスーパーというサービスが、社会の中で求められる重要なインフラであると信じた」。そう話すのは、小売業界27年の経験をもつ、BizDevの坂元康之さん(Genさん)。彼はドン・キホーテの創業期からジョインし、国内事業だけでなくアメリカや香港の海外事業にも携わってきました。

特に海外に渡ったときはコロナ禍真っ只中。そこで急激に変化していった世間の購買・消費行動を目の当たりにし「日本の小売業も変わらなきゃいけないと思った」と言います。そんなときに出会ったのが10XとStailerでした。

小売業界の変化を肌で感じてきたGenさん。その目に映ったStailerの可能性と課題とは?10Xにジョインしたこの数ヶ月で感じたリアルな心境とともに話してもらいました。

坂元 康之

株式会社10X 事業開発本部

PPIH元執行役員。ドンキホーテ創業期に入社し日本各地の支社長、西日本営業本部長、子会社社長を歴任。その後北米カンパニー社長やアジア商品戦略部シニアマネージャーとして海外事業拡大に従事し、10Xに入社

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10Xに残りの人生をかけられると確信した


――Genさんは小売業界歴27年と聞きました。どんなことをされてきたのか教えてください。
10X入社前は「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)に27年間勤めていました。1996年に入社したので、人生の半分以上小売業界に携わっていますね。PPIHの創業期に入社し、国内事業を担当。終盤では、アメリカ・香港にて、さまざまな事業展開に携わっていました。

BizDev 坂元康之さん(Genさん)

――Genさんはなぜ10Xに転職されたのでしょうか?
前職の頃、当時の課題を解決するために10Xと関わったことがきっかけです。

香港でのドン・キホーテの展開を担当しはじめた当初、現地の人にECで商品を売ろうとしても、日本語の商品のため中々情報が伝わらず、ものすごく苦労しました。改善するためにとある会社と協業してアプリを導入したものの、機能が足りていなくて改修をお願いしても「できない」と断られる。こうした課題を解決するために調べていたときに、はじめて10Xを知りました。最初に抱いた感想は「この会社はおもしろいな!」でした。

2022年12月、代表の矢本さんが他のメンバーと一緒に香港にやってきました。矢本さんと1対1で食事に行く機会もあって、話していく内に「自分自身が残りの人生をかけられる仕事はここじゃないか!」と勝手に想いが膨らだんですよね。それで僕から矢本さんにアプローチしたことが始まりです。当時、コロナ禍で消費者の購買行動がどんどん変わっていくことを肌で感じていて、こうした変化に対する対応力が求められているから、漠然とですが「小売業は変わらなきゃいけない」と思っていました。

そんな中「自分の人生をかけられる仕事は今の場所ではできない」と感じていて。でも変われない自分にも、やきもきしていたときに10Xと出会い、矢本さんと話していく内に自分の中で「ここしかない」とスイッチが入ったんです。

――その頃は取引先でしたよね。当時、Genさんがかなり10Xを推してくれていたことは社内でも話題になっていたのですが、そんなGenさんが「10Xのトライアル受けるらしいよ」って話が出てきて「え?どういうこと?(笑)」と、騒然としていました。
カジュアル面談を経て、トライアルを受けるプロセスは楽しかったのですが、内心、絶対受からないだろうなと思っていました。だから受かった時は死ぬほど嬉しかったですよ。


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――なぜそこまで10Xに惹かれたのでしょうか?
もっとも大きな理由は10Xで働いている人たちです。メンバーが事業に対して一点の曇りもなく頑張っている。そのひたむきさが伝わってきました。そしてそこに嘘はないということが、トライアル期間でよくわかったんです。トライアルを受ける前から皆さんの人間性は理解していたのですが、より一層ここで働きたいという気持ちが強くなりましたね。

もう1つは、先ほども少し話しましたがコロナ禍によって感じた小売業界の変化。少子高齢化も進むこの国で、ネットスーパーというサービスが、社会の中で求められる重要なインフラであると信じたからです。

僕は前職の頃に東日本大震災や、熊本の地震といったいろんな災害を経験していて、そんな中でドン・キホーテという会社は災害に対する強さがあることを知りました。生活インフラとしての役割を担うことが、ドン・キホーテのビジネスを大きく成長させた1つのきっかけであり、通過点でもあったんです。

また、自分自身、小売業界に長年携わる中で、一企業がネットスーパーを導入・運営する大変さも理解しているんですよね。粗利率があまり高くない業態だからこそ、ネットスーパーのための投資判断が難しい側面がある。しかし価格だけに頼った経営を続けていると、他社との価格競争になってしまい、最終的に事業に関わる人の人件費を削るという判断をしてしまう…そうした未来を避けるためには、価格以外の付加価値をつけることが非常に重要。小売業界における、ネットスーパーのサービスはそうした付加価値になると考えています。小売業界だからこそ、この意思決定をすることが非常に大事。そんな思いを持って、10Xの門を叩きました。

小売業界27年の目から見たStailerの価値と課題


――Genさんから見て、今の10Xはどのようなフェーズにいると感じますか?
PMF* はしているけれど、新しい課題と向き合いながら次の挑戦が始まっているところだと思います。
*PFM(Product Market Fit): 顧客が満足する商品を、最適な市場で提供できている状態

大手のスーパーで導入され、ユーザーに支えられ、店舗数が順調に増加しているパートナーもいる一方で、商談をさせていただいてもまだまだ導入の意思決定に至らないようなケースも数多くあります。Stailerはすごく良いプロダクトなのに、まだまだ広がっていないのが大きな課題ですね。正直なところ、特にすでに店舗数の多いパートナー企業でも導入店舗がなかなか広げられていないことも意外でした。ここを抜け出すにはどうすればいいのか、みんなで試行錯誤しながら挑戦しています。

――Genさんはパートナー企業にとってStailerのどこが「推しポイント」と感じているのでしょうか?
1番の強みは10Xの組織力を活かした伴走支援です。特にGrowthチームのサポートはかなり強力なのに、ここが伝わっていないのが非常にもったいないと感じます。きちんと戦略立てて、小売業そのものを支援していることこそが10XとStailerの価値ですね。

以前パートナー企業の方の話を聞いている時に「『きちんと伴走支援する』を決まり文句みたいに言う企業は多いけど、実際はしていないところが多い」と言われたことがありました。こうしたイメージを持っている人は少なくないので、導入前の企業にいかに10Xの伴走支援が本物であるか伝えられるかが課題です。

例えばBizDevのメンバーが導入先のスーパーに直接行って、店舗の課題をとことん掘り下げていて、現場が何をしているか手に取るようにわかる。そこまでPDCAを回している会社はあまり聞いたことがありません。入社する前にはそこまでしているとは全く思っていなかったので純粋に驚きました。

小売業の粗利率は決して高いとは言えない中、Stailerのようなプロダクトを導入する意思決定はとてもハードルが高いと思われます。それでもStailerを導入する意味は、事業を伸ばすところまで一緒に取り組んでくれるところにある。お金に換えがたい価値がその先にあって、その価値をBizDevがまだまだ伝えきれていないのは、今後のチャレンジです。

――入社前からプロダクトの価値を感じていたのでしょうか?
前職で香港にいたときにStailerを知り、最初に感じた価値は、半自動生成できる商品マスタです。小売業は、商品マスタの精度によって、良い売り場が構築されるといっても過言ではありません。ただ、構築するにはものすごく手がかかるため、実際に取りかかれず店舗の売上が伸びない小売店は多い。そこを10Xがサポートしてくれるのは、小売側としてはものすごく助かりました。

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――商品マスタの構築は、ネットスーパーを運営する上でも手がかかるものでしょうか?
かなり大変です。基本的に、商品マスタ登録に必要な情報は商品名・メーカー名・価格くらいですが、それだけでは現物が見られないユーザーは商品の評価ができません。規格やコメントなど、評価に必要な情報を入れ、はじめてネットスーパー上で商品が売れます。

また、小売業では売価が頻繁に変わります。折り込みチラシで値引きをしている商品があれば、その価格をネットスーパーにも反映させなくてはいけない。こうした価格のメンテナンスの頻度が非常に多く、現場だけで運営するにはなかなか手が追いつかないんですよね。こうした課題を解決するのがStailerの商品マスタ支援なんです。

――なるほど。精度の高い商品マスタの構築ができれば、リアルな店舗に近い売り場がネットスーパー上にもできるということなんですね。
おっしゃる通り。ネットスーパー上でリアルな店舗を再現性高く展開するには、商品マスタが極めて重要ですね。

――Stailerの強みは事業支援までするGrowthメンバーの伴走支援と、商品マスタということですね。
あともう1つ、デジタルのサポートツールとしての強みもあります。Stailerのスタッフアプリを活用することで、だれでも、時間をかけずに効率良くピッキング・パッキングができるようになります。

今でも紙のマニュアルでピッキング・パッキングに取り組んでいる企業は少なくありません。紙に書かれたJANコード、商品名を見て売り場を探しまわるのですが、簡単にはお目当ての商品は見つからないんですよね。
一般的なスーパーだとSKU* は2~3万、ホームセンターなどの事業になると、20万SKU近くになります。ポテトチップスという商品1つ見ても、味、サイズ、メーカーがある中、人が絶対に間違いなく該当の商品をピッキングすることは困難です。でもStailerを介してJANコードを読み込めば、間違った商品を選ぶと知らせてくれます。
*Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の略称。最小識別単位。

あまり教育コストをかけずとも誰もがピッキングができるようになり、また選ぶ商品の間違いも防止してくれるスタッフアプリは、小売業をしていた自分からすると本当に画期的な存在ですよ。

スタッフアプリでは、JANコード読み込みで正しい商品をピッキングすることが可能


人材の価値に対する信頼を感じる組織


――10Xという組織について、実際に入社してから感じていることがあればお聞かせください。
僕には小売の経験はあるけれど、IT関連の仕事は全くはじめて。自分はトライアルを経て幾分かマシになったと思っていても、実際に僕を受け持つ部署の人は大変ではないかと思っていました。でもメンバーが丁寧にサポートしてくれるので頑張れています。環境に恵まれていると感じますね。

忙しい中で細やかにフィードバックするのは本当に大変です。僕も小売で長くマネジメントをしてきたからこそわかるのですが、実際にできる人はごくわずか。10Xはものすごく人を大事にしている企業だと思います。

先日、僕のPodcastを聞いてくれた元同僚から「10Xってすごい会社ですね。人材の価値に対しての信頼がすごいと思いました。会社の発信として、ポジティブなものしか伝わってこない」というメッセージが送られてきました。10Xの中を知らない人にも伝わるくらいなんです。

――反対にメンバーもGenさんから大事なことを学ばせてもらっています。特に現場仕込みの泥臭さというのか、見習って頑張らないといけないと感じています。
確かに。前職の経験から、泥臭いところをやらねばという感覚、売り場第一主義というのは染み付いていますね。

今の10Xのワークスタイルは、基本的にリモートなので、お客さまのところに足を運ぶ機会はまだ多くないのかもしれません。だけどどこまでいっても小売業はお客さまと売り場に答えがあるんです。私たちのような企業に対して、現場からは「あなたたちは現実を知らない」といった先入観を持たれていることも少なくありません。

だからもっと売り場・現場に立つことで、クライアントからの信頼も勝ち取れるのではないかと。ここはもっと強化できると思いますね。

――Stailerが受け入れられるようになるには、私たちがもっと現場に赴くことが一つの勝ち筋となると?
そうですね!第三者だからこそ、売り場を客観的に見て気づけることがあるのは間違いないし、そうした視点でフィードバックすると小売側の人は喜んでくれます。実際に前職で、僕が香港にいた頃も、矢本や他のメンバーが実際に現場を訪れた上でさまざまなフィードバックをくれ、すごくよかったです。どこまでいっても現場はものすごく大事です。

小売業界の要はつねに現場にある、と語るGenさん


――今後、Genさんが10Xでやりたいことはありますか?
僕の小売業の経験を10Xで活かしたいです。Growthメンバーや小売業の人たちと一緒になって、事業・売上に貢献することにまっすぐに向き合いたい。あとなによりも、自分の成功体験をつくりたいですね。

僕はこの事業開発の仕事が好きです。10Xのバリュー「Take Ownership」を体現し、その先頭に立っているのが事業開発。自分たちが事業者にアプローチし、理解してもらえてはじめてStailerを使ってもらえるチャンスが生まれます。とても意義のある仕事なので、自分自身の成功体験をもっと増やしていきたいです。

――そもそもGenさんはどうしてそこまで小売りに熱くなれるのでしょうか?
ものを売るのが好きなんです。自分が仕入れたものをお客さまに買っていただく喜びがありますし、小売業はいろんな意味でストレートにフィードバックがくるので、そこに興奮するんですよね。
10Xのメンバーも同じだと思います。例えば社内のSlackで「あのパートナー企業が今週はGMV(流通取引総額)記録更新!」とみんなで盛り上がりますよね。あの気持ちと全く同じ感覚です。

――そんな熱いGenさんですが、残りの人生をかけて10Xで小売業のために挑戦していきたいと。
そうですね。この流れを大事にしたいし、諦めたくないと思っています。

――諦めたくない、とは?
自分はすごく不器用なので、そんな自分に辛くなったり投げ出したくなったりすることもあるんです。でもそんなことで諦めたくないなって。自分で転職の意思決定をしたわけだし、10XとStailerを信じて、ここで人生をかけて仕事をすると決めたので、絶対に諦めずに、進み続けるという気持ちですね。

――ありがとうございました!今のフェーズの課題を乗り越えるため、一緒に頑張っていきましょう!

執筆・大久保 崇(https://takashio.llc/

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