「ネットスーパー成功の方程式を創る」──“伴走者“として事業成長にコミットするBiz Growth

2022/9/7

パートナー企業の事業成長に貢献する──このようなミッションのもと、“伴走者”としてネットスーパーの立ち上げからグロースまでを支援しているのがBiz  Growthチームです。

現在、スーパーやドラッグストアを中心にさまざまなパートナー企業と向き合いながら、仮説検証を繰り返し、ネットスーパー成功の方程式を創りだします。本記事では、Biz Growthチームが担っている役割、10Xの中でパートナー企業のグロースに取り組む面白さなどについて、 川崎、角山の2人に話を聞きました。

川崎雅史

@ma323kwsk

Business Development

マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造業、交通事業者を中心に戦略策定やオペレーション改善に従事。世界経済フォーラム第四次産業革命センター・モビリティフェローとしても活動

角山 翔大

@shodai_chapt

Business Development

カカクコムにて事業開発・経営企画に従事したのち、LINE株式会社に入社。 LINEとエムスリーのJVであるLINEヘルスケア社を設立し、事業企画室長として、健康相談やオンライン診療サービスを立ち上げ。2021年12月より10Xに入社。

10Xが考える「パートナー企業の事業成長に貢献する」ということ

──まず、 Biz  Growthチームのミッションについて教えてください。

川崎:パートナー企業のネットスーパー立ち上げからグロースまでを伴走しながら支援していくチームです。具体的には、パートナー企業のネットスーパーをどうやってグロースさせていくかを考える“事業責任者”のような役割に加えて、横断的にグロースに必要な武器を創って提供していくこともやっています。

例えば、新規顧客を獲得するための手段をつくることもそうですし、ラストワンマイルの配送機能をパートナー企業に提供するといったことなどがあります。

──その中で川崎さんは具体的にどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

川崎:自分は主にスーパーを担当しており、Stailerのパートナーである大手スーパーとのプロジェクトで、販促・グロースの役割を担っています。

Stailerでご一緒するスーパーはネットスーパーを成長の柱に据えて大規模な成長を掲げる会社が多いのですが、それを実現するための販促の活動計画を考え、具体的な施策に落とし込んでいます。どういった施策を、どれくらいの規模でやらなければいけないのかといった取り組みの全体像の整理のほか、プロダクト自体の機能が必要な場合はその調整・プロジェクト推進の役割も担います

そして実際にやっていくとなった際は運用にも入り込んでいきます。ここが10Xならではの特徴のひとつです。例えば、 Web広告をどういう文言で掲載して、どうやって最適化していくかといったウェブマーケティングもそうですし、どういうユーザー層に対してどういう内容のプッシュ通知を打つのか。対象となるユーザー層の抽出や文言の内容までパートナー企業と密に連携して決めています。

最後に取り組んだ施策の結果を分析・検証し、次の施策にフィードバックしていく。10X側も販売データなどの情報を豊富に持っているので、それらの情報をもとに次にどうすべきか、の提言をします。この一連のサイクルをぐるぐる回しているというイメージです。大上段の戦略の部分から入り、具体的な運用までもやる。あらゆるレイヤーに関わることができるという振れ幅の大きさが面白いポイントかなと思います。

また、別のパートナー企業では店舗数の拡大、配送エリアの拡大にも取り組んでいます。グロースというとマーケティングや新規獲得の話に閉じたイメージがあるかもしれませんが、ネットスーパーを成長させていくためには、取り組むべきことがさまざまあります。例えば、対象店舗を増やしていくとか、配送のキャパシティを上げていく、品揃えを充実させていくなどです。10Xではネットスーパーを成長させていくために必要なことを「Flywheel(フライウィール=弾み車)」と定義し、全体像を整理した上でパートナー企業ごとに必要な施策を提案しています。

StailerにおけるFlyweelを解説


考慮すべき点が多くて複雑な反面、単純なマーケティングだけではないという面白さが味わえる。それが10Xでグロースに取り組む際の独自性です。

──角山さんはいかがでしょうか?

角山:自分は主にドラッグストアを担当しています。スーパーと比べると、ドラッグストアのECはPMF(プロダクトマーケットフィット)を目指していくフェーズです。

ネットスーパーは具体的なユースケースが分かりやすい一方で、ドラッグストアECというのはまだ単語自体も浸透していないですし、スーパーと比べて取り扱っているSKU(Stock keeping Unitの略で、在庫管理上の最小の品目数)が多く、フード、ドラッグ、コスメ等様々な特徴がある。そうした中でどういった事業価値が刺さるのか。パートナー企業に伴走しながら、ネットドラッグストアを事業成長させていくためには何が必要なのかを探索し、仮説検証を繰り返していっています。

現在はオンラインで購入した商品を、実店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」という形でサービスを提供しているパートナー企業がほとんどですが、今後はより広い範囲で多くの人に使ってもらうために配送の実装も考えているところです。

──「パートナー企業側ですべて担ったほうが早いのでは?」という疑問も生まれそうですが、10Xがパートナー企業と一緒にやることの意義はどのような点なのでしょう?

川崎:販促施策の観点でも、オフラインでの施策に関してはパートナー企業の方が経験もあり、運用などの知見もお持ちだと思います。一方で、10Xはウェブマーケティングなどを含めてデジタル領域での施策に関する知見は豊富です。具体的には、アプリでの利用データなどを紐付けることで、それぞれの施策からどれだけ流入しているかなど、今まで見えていなかった具体的な効果が可視化でき、検証することもできます。また、クイックに動ける企業文化も持ち合わせているので、仮説検証を繰り返していく面でも10Xが入る価値は大きいですね。そこはパートナー企業とも、お互いの信頼関係を築いています。

角山:先ほどの「ドラッグストアECに配送機能を追加する」話を例に出すと、パートナー企業側でラストワンマイルの配送業者を開拓する事例もあると思うのですが、ドラッグストアECをBOPISから配送に広げる際にはどの業者が最適なのか?という解は誰も持っていません。そこに私たちが入ることで、20〜30社ほどの配送事業者にヒアリングし、エリア・商圏・条件などをもとにどこの業者が最適なのかを能動的に情報を整理して、提案を行い実行につながったケースもあります。10Xにはこのような知見も溜まっていっているので、業態やエリアなどその会社の特性に応じた最適な手段を提案していけることは、パートナー企業にとっても価値を出せるポイントです。

実際に、8/30には薬王堂様、Wolt様と連携し岩手盛岡にてラストワンマイル配送をローンチしました。

ローンチ当日は取材会も実施しました(https://10x.co.jp/news/yakuodo-woltdrive-iwate/

ネットスーパーの成功に必要な「Flywheel」の考え方

──パートナー企業ごとに個別の対応をしていると、全体としては知見がたまっていかないような気がします。その点については、いかがでしょうか?

川崎:10Xでは2つの方向性から各パートナー企業の戦略を考えています。まずひとつは、先ほど説明した「Flywheel」をもとに全体像を整理しながら、各パートナー企業の状況をもとに取り組んでいくべき具体的な施策を考えています。ただし、自分たちがやりたいことをパートナー企業に一方的に押し付けても意味がありません。パートナー企業が解くべきイシューは何か、喫緊の課題などを整理してから施策を決めて向き合っていく。このように両面から考えをすり合わせて具体的な施策を決めています。

ネットスーパーを成長させていくための明確な解は、日本でまだ誰も持っていないのが現状です。だからこそ、解を得るためにどのような順番で、何を検証すべきか整理することが大事になってきます。

例えば、売上を伸ばそうと考えたときに、多くの人は新規顧客の獲得や既存顧客のエンゲージメント向上に取り組むべきと考えるかもしれません。ただ、ネットスーパーにおいては、売上を伸ばすのに一番効果的なのが店舗エリアの拡大や配送エリアの拡充だった、ということもあるんです。

また、運営を通して浮き彫りになる課題は、アプリや Web上での機能やUIよりも、「当日の配送枠が埋まっていて選べない」といったキャパシティの問題や、「店舗でいつも買っている商品が見つからない」という品揃えの問題などです。そうした要求にも応えていく必要があって、あらゆる要素のレベルを高めていかないとネットスーパーは良い循環でまわっていかない。

だからこそ、ネットスーパーをどう成長させるか、そのために何をやっていかないといけないか。その目線を社内外で統一するために、共通言語で話すための手段の1つとして10Xでは「Flywheel」を作成しました。簡単にいうと「ネットスーパー成功の方程式」となることを目指しています。

もちろん、個別対応になってしまう部分は少なからずありますが、全体としてパートナー企業にどういう武器を提供していくべきかを定めた「Flywheel」があることで、きちんと知見はたまっていく体制が構築できてきています。

──アプリ上だけでなく品揃えや配送など、あらゆる要素の知見を持つのは大変じゃないですか?

角山:プロジェクトごとに、社内で小売出身で品揃えや店舗に詳しいメンバーと一緒に取り組むなど、他のチームと連携しながらそれぞれの施策を進めています。例えば、配送、ラストワンマイルの業者開拓は自分でやりつつも、どのエリアでどれくらいのコストがいいのか、最適解を練る際に一緒に議論することで解を見つけています。すべてをBiz Growthチームのみでやっているわけではなく、横のチームと連携してプロジェクトごとに伴走しています。

川崎:10Xの中にはデータ基盤の整備、分析、顧客インサイトの抽出・整理、マーケティングなどのケイパビリティを持ったチームもありますし、小売の経験を持ちつつ、オペレーションや戦略を描いていくチームもあるので、色々なチームと連携しながら進めています。また、販促施策の運用などはパートナーや社外の専門家とも協働するといったパターンもあるので、一人ですべての知見を持っている必要はありません。

パートナー企業のグロースを支援する「面白さ」とは?

──Biz Growthチームの面白いポイントについて教えてください。

川崎:ネットスーパーを今後の事業成長の柱と位置付けている大企業と向き合い、その事業の戦略部分から入っていけるスタートアップはなかなかない。大上段の部分から入り込んでいけるというのは、すごく面白いポイントだと思っています。また、キャパシティやアクセシビリティなど解くべき課題が多く複雑性は高いのですが、いろんな方法を使って事業を拡大していける。解ける課題の幅は広く、やらなければいけないことも多いのですが、その分だけ面白さを感じられるはずです。

そして、ネットスーパーを成長させる方法はまだ確立できておらず、伸ばし方自体を描いていける面白さもあります。大上段の戦略の整理からでき、それを実際に検証し、蓄積されたデータをもとに成長の方法を描いていけるのは他社では得難い経験だと思います。

現在サービスをローンチ済みのパートナーは10社に登る


角山:ドラッグストアにおいては探索フェーズということもあり、多角的にさまざまな施策を実行し、PMFを目指していくという意味では新規事業開発に近しい部分はあります。泥臭く現場に行ってチラシを配り、N1分析をするし、ラストワンマイルの業者開拓もする。ひとつずつ施策の仮説検証をしながら事業開発していく楽しさ、面白さはあると思います。

──過去の仕事で培ったスキルの中で、何が今に役立っていますか?

川崎:自分は前職がコンサルティング会社だったのですが、イシューや進め方を構造化するスキルは今に役立っているなと思います。仮説ドリブンで検証をクイックに回していくスキルやデータや声から意味合いを出すスキルは役に立っています。10Xはデータや顧客の声を豊富に持っていますし、それをアクティブに取りにいく文化でもあるので、それらを自由に使いながら意味合いを出すことはコンサル出身の人は得意だと思います。それを思う存分発揮できる環境があるので、コンサル出身の人には合うはずです。

角山:事業会社で事業を立ち上げた経験は今も役立っていると思います。正攻法がないからこそ、泥臭くN1分析をして顧客の解像度をひたすら上げていく。誰のどんなペインを解決するサービスなのかを研ぎ澄まして考えるといったことは前職で学んだものです。それが今のドラッグストア ECのPMFに向けて、役に立っているなと感じます。また、前職のLINEヘルスケアでは事業責任者として立ち上げから担当していたので、その際に学んだヘルスケア領域の知見はそのまま活用できています。特定の事業領域やスキルをお持ちの方は、それを活かしていただけると思います。

──具体的にどんな人を求めていますか?

川崎:まずは事業を成長させることにパッションがある方。それから、やることの幅が広いので、新しい領域の開拓を楽しめる方に向いていると思います。その上で、例えばマーケティングの知見がある、データから施策につなげるのが好き、現場に入り込むのが得意など、いろいろな強みのある方が活躍できるフィールドはあるので、とにかく少しでも気になったら、ぜひ話を聞きに来てほしいなと思います。

角山:何が成功かも分かっていない状態だからこそ、泥臭く何でもやることをいとわない方と一緒に働けると嬉しいです。上段の戦略を立てるだけでなく、施策部分でパートナーと信頼関係を築きながら、成長に向かって伴走することを楽しめる方はぜひ!

──最後にこれからの展望を教えてください。

川崎:今後パートナー企業の数がどんどん増えていく予定ですし、それぞれのパートナー企業がよりグロースフェーズに入っていくタイミングでもあるので、グロースに興味ある人には山ほどチャンスがある状態になっていきます。それぞれの事業を伸ばしていくことに責任者としてコミットできる人を増やしていきたいです。

事業責任者として各パートナー企業に向き合って成長させることに加えて、事業の可視化、PDCAを回す、新規獲得・エンゲージメント向上など、10Xが持つ武器を作り込んでいく必要もあります。まだまだ成長余地は大きいので、多様なバックグラウンドの人で強いチームをつくっていきたいですね。

角山:パートナー企業と事例が増えていくにつれて、10Xが提供できる武器も増えていくので、はやくパートナー企業にいろいろな武器を提供できるようになりたいです。10Xとパートナーは運命共同体なので、最終的にエンドユーザーに価値を届けるべく、しっかり事業成長を目指していきます!

10Xのミッション・バリューに共感いただける方からのご応募をお待ちしています!

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