【管理職だけじゃない!】エンジニアの多様なキャリアパスを実現する10Xの人事制度とメンバーの声

2023/8/8

エンジニアとして「開発現場の最前線でプレーヤーとしてコードを書き続けるのか、それともマネージャーになるべきか」という、キャリアの悩みにぶつかったことがある人は多いのではないでしょうか。ワークスタイルが多様化する中で、キャリアパスのあり方にも変化が必要とされています。

10Xでは、メンバーに期待する価値を明文化した等級制度があり、個人の中長期的な成長指針としています。その中では、マネジメントポジションに加えて、IC(Individual Contributor)としての役割もキャリアの選択肢として設けているのが大きな特徴です。

等級アップ=管理職というキャリアパスだけでなく、より多様なレイヤー・ポジションで働くことができ、より個人の強みを活かせる環境へ。10Xは、そんな組織を目指して人事制度を策定・運用しています。

なぜこのような制度設計になっているのか、そして一例として10Xのエンジニアメンバーは実際どのようにキャリアの幅を広げているのかを、HRのTakeshiさんとエンジニアリング本部のsotaさん・tamuraさんに聞きました。

HRの思い——多様なキャリアパスの提供が、個人と組織の持続的な成長につながる

Takeshiさん

HR本部長

流通業・商社を経て03年にヤフー株式会社に入社。法人営業、営業企画などを担当したのち、12年から人事部で組織開発推進に携わる。15年6月にSyn.ホールディングス株式会社(現 Supershipホールディングス株式会社)に入社、人事部門を管掌。19年6月にDATUM STUDIO株式会社 代表取締役社長に就任、22年6月に退任。同年10月より株式会社10XにHR本部長として入社。

——Takeshiさんには、10Xらしいキャリアパスと、それを支える人事制度の内容・背景についてお聞きしたいです。まず、エンジニアリング本部には、どのようなキャリアパスの種類があるのでしょうか?

Takeshi:前提となる組織の体制からお伝えすると、エンジニアリング本部では、本部長・部長・マネージャー・メンバーといった役職が存在します。

ただ10Xとしては、このラインを突き詰めていくことだけが、いわゆる“キャリアアップ”の道だとは考えていません。そのため、社員にはチームマネジメントの職種と専門職であるIC(Individual Contributor)、2つのキャリアパスを用意しています。これは、エンジニア職種はもちろん、その他の全ての職種に当てはまります。また、マネジメントとICも行き来できるような設計になっています。あくまで「役割」であって、そこに序列や優劣はありません。

求められる役割への期待も、もちろんそれぞれに異なります。チームマネジメントなら、個人の能力を発揮するだけでなく、チームの成果も最大化すること。ICなら、専門能力を持って事業へのインパクトをもたらすこと。加えて、高めたスキルを組織全体へと実装していく動きも期待しています。

こうした期待をしっかりと明示するために、10Xでは等級制度を設け、それぞれの定義や要件を文書化しました。現在、10X Culture Deck10X人事制度をまとめたNotionでも公開しています。イシュー・プロジェクトを自ら組成し、完遂できることを目指す4等級以上で、マネジメントとICの2つのラインを用意しています。

10Xの等級テーブルの詳細の記載があります

外部公開されている10Xの等級テーブル。マネジメント/ICそれぞれ異なる発揮してほしい能力について、各等級ごとに詳細な説明があります。


——実際にどのようなやり取りやフローを経て、個人のキャリアパスが決まるのでしょうか?

Takeshi:現状は、事業からの要請を起点に本人の経験やスキルを鑑みてアサインが検討・決定されていますが、今後はこれに本人の意向やキャリアプランも加味するようにアップデートしていきます。10Xではメンバーとマネージャーとの1on1を隔週で実施しているので、個人のキャリアプランや希望についてもタイムリーに相談できます。

——そもそも、10Xではなぜこのような多様なキャリアパスを提供しているのでしょうか?

Takeshi:10Xでは、一人ひとりが持つ多様な経験や能力を最大限に発揮してもらいたい。その上で、個人の成長と事業の成長、両者がしっかりと交わるような仕組みをつくることが重要だと考えています。

そもそも、私たちが目指すゴールは、パートナー企業を成功させること。実現には、短期的な指標や成果ばかり追うのではなく、中長期的な視点で伴走する必要があります。そして、その道のりを進む中で、さまざまな環境変化に適応していくこともまた重要です。

短期的には事業の要請を叶えるアサインを実現すれば良いわけですが、それだけでは必ずしも中長期的な成功につながりません。社員の希望するキャリアプランや人生における幸せ、あるいは本人のライフステージやプライベートで置かれている環境はそれぞれ異なります。それらを度外視して組織を構築してしまえば、事業の成長という観点では最短ルートで勝てるのかもしれません。ですが、それは会社にとっても個人にとっても持続可能な状態ではないと考えます。

社員が、その時々でベストなキャリアの選択を重ねていける環境を整えていきたい。それが私たち10Xの人事が考える、本当の意味で“個人の成長と事業の成長をアラインさせること”につながるんです。

——多様なキャリアパスの提供が、個人にとっても、そして事業やパートナー企業の持続的な成長につながると。

Takeshi:すでに10Xには、ICとマネジメントのロールを行き来するエンジニアメンバーもいますが、どのポジションであっても、役割を果たしながらチームに貢献することで、キャリアの可能性や自身のスキル・能力を高めていってほしいですね。現行の人事制度は、2022年10月に刷新したばかり。さらなる組織の拡大を見据えて、今後もアップデートしながらともに成長を続けていきたいと思います。

メンバー体験談①育休を経てICとして復帰。過去の“マネージャー視点”が開発業務に活きている

sotaさん

@sota1235

Software Engineer

アイスタイルを経てメルカリに入社。ソフトウェアエンジニアとしてメルカリチャンネルの立ち上げやWebのRearchitectureプロジェクトに携わる。退職後はELYZAで新規事業開発に取り組み、2021年8月に10Xへ入社。セキュリティチームの立ち上げやEMを経て、現在はリライアビリティ&セキュリティ部に所属するIndividual Contributor。

——10X入社後の担当業務や役割の変遷について教えてください。

sota:2021年8月に10Xへ入社し、ICとして開発チームのエンジニア職からスタートしました。翌年からはマネジメントも兼務して、10ヶ月間ほど7~8名チーム運営も担当するように。その後、マネジメントロールを後任に引き継ぎ、6ヶ月の育児休業を取得しました。

2023年6月にICとして復帰し、マネジメントミッションは持たずにセキュリティチームのソフトウェアエンジニアとして働いています。

入社〜育休に入るまでのプロセスをまとめたsotaさんのブログはこちら

——役割が変わる際は、社内でどのようにコミュニケーションを進めていったのでしょうか?

sota:育休に入る際は、まずCTOの石川さんに相談し準備を進めました。「後任はこの人にお願いしたい」と話し合い、本人へ打診。後任が確定した後は、業務を引き継ぎ、育休に入るまでの1ヶ月間は何かあれば相談に乗る形で並走していました。社内でしっかりとコミュニケーションが取れていたので、お互いに安心感を持ってロールを引き継ぐことができたと思います。

会社を離れている間に事業の状況やチーム体制も変わるだろうと想定していたので、復帰後はそのときに必要とされるポジションに就きたいと考えていました。その上で「自分で立ち上げたセキュリティチームに戻れたら嬉しい」という個人的な意向も伝え、それを汲み取ってもらい現在に至ります。

——ICとマネジメントどちらも経験してみて、両者の役割に感じた違いがあれば知りたいです。

sota:持つべき視野の広さと、解決する課題の抽象度が変わるのが大きな違いだと思います。もちろん、ICとしてもチームの成果に貢献することは重要ですが、チームマネジメントではメンバーがきちんとパフォーマンスを発揮できているか常に気を配りつつ、状況に応じて他チームとの連携を図ることも必要です。

また、マネジメントを担当していた時期は、大きなイシューに取り組む機会が多くありました。たとえば、エンジニアの評価制度を見直す際は、何をどこからどのタイミングで着手するべきか、自分で順序を組み立てていく動きが求められます。

マネジメントロールは10Xで初めてチャレンジしましたが、ICに戻った今も、抽象度高く物事や課題を見ようとするマネージャーとしての視点が業務に活きています。ICとして向き合うイシューは顕在的な問題や具体的な事象が多いですが、「なぜこのタスクが必要なのか」と背景を汲み取りながら取り組めるようになったんです。

正直、就任当初は「求められているならやってみよう」くらいのモチベーションだったのですが、予想以上にマネジメントロールを楽しんで経験を積むことができました。

——10Xでキャリアを形成する面白さや良い点は、どんなところにあるでしょうか?

sota:私自身は、明確なキャリアプランを持たずに、組織に必要な動きをして貢献したいと考えるタイプです。その上で、10Xはまだまだ完成されていない“余白”が多い組織だからこそ、課題解決の機会を自ら生み出せるのが面白いと感じます。

実際に、現在所属するセキュリティチームも、もともとは私の発案で立ち上がった経緯があります。新たなロールやチームも組成していけるチャンスが多くあるんですよね。

10Xにはシニアなエンジニアも多いからか、社外からは成熟した組織だと思われることもよくありますが、これから加わるメンバーにもその人ならではの能力を活かしてもらえる環境だと思います。

メンバー体験談②多様なロールを行き来することで、肩書きにとらわれずスキルを高められる

tamura

@Uhtml

EM & Software Engineer

大学院在学中に設立前のコネヒトにiOSエンジニアとして参画。以後はアプリ開発だけでなく、BackendやFrontendなどフェーズによって役割を変え、さらにプロダクトマネージャーや事業責任者・取締役としてマネジメントや経営の役割も経験。2021年7月に10XにIndividual Contributorとして入社。

——10X入社後の担当業務や役割の変遷について教えてください。

tamura:入社当初はICとして、プロダクトの機能開発に携わっていました。9ヶ月ほど経った頃からは、開発リーダーとして新たなパートナー企業のネットスーパー立ち上げプロジェクトに関わりました。

さらに半年経ってからは、新規プロジェクトの開発をしながら、EMとしてマネジメントも兼務するようになりました。以降は、効率的な開発フローの構築がメインミッションとなり、必要な時には自分も手を動かして開発業務に入るといったフレキシブルなプレイングマネージャーとして動いています。

現在はドメインチームの開発体制への移行を経て、新規プロジェクトのチーム、特定の機能の開発チームなど、複数のチームのマネージャーを務めています。

オフサイトでの10Xエンジニアチームの様子


——10Xの入社前にマネジメントに携わる経験はあったのでしょうか?

tamura:前職では、ICから取締役・事業責任者まで幅広いレイヤーに就いていたのですが、自分がチームを直接持つというピープルマネジメントの経験は少なかったです。10Xでの現在のロールは、チームの成果と事業の成功をアラインさせること、そのためにチームメンバーの一人ひとりと向き合うことがミッションなので、少し違いはありますね。

10Xに転職した理由としてはICとして経験を積みたいという思いもあったので、EMを打診された当初は迷いもありました。ただ、自分の性格として、良いプロダクトを作り、それによって事業を前進させられるのであれば、ロールに強いこだわりはありません。1on1の場で、役割と役割に対する期待をきちんと伝えてもらえたので、より納得感が持てました。

——ICとマネジメントのロール、どちらの立場も経験したことは自身のキャリアにどのような影響を与えていますか?

tamura:前職を含め、ICとマネジメントを行き来するキャリアを歩んできた中で、それぞれの経験が良い相互作用を生んでいると思います。

10XにはICとして入社しましたが、過去のマネージャー経験から「イシューに複雑さや曖昧さが残ったままでも進められる」ようになったんです。もともと自分は物事において白黒はっきりさせたいタイプではあります。ただ、事業やプロダクトがはっきりしていない段階では、個人やチームに対する期待を明確に固めることだけが解ではないと学びました。

今の10Xもまさにそのフェーズにあり、この先の事業がどうなるか明確に決まっていないからこそ、抽象度の高い課題からチャンスを見出し、一人ひとりが事業を変えられる可能性があります。ファジーな目標下でも事業を前進させなければいけないマネージャーの気持ちが分かるからこそ、ICとして抽象度・難易度の高いイシューに取り組む視座の高さが得られるようになったのを感じます。

反対に、ICからマネージャーに再び転向したときは、現場の温度感をきちんと理解した上で目標や計画を設計できるようになったと思います。

私は人生において確固たる目標を持っているわけではありませんが、やりたいことが見つかったときにそれを実現できる自分でありたいと思っています。だからこそ、肩書きにとらわれずにさまざまなスキルを高めることが重要なんですよね。10Xはそういったキャリアの築き方が可能だと感じます。

今はマネージャーとしてバリューを発揮することに集中したいので、マネジメントやコーチングの領域を勉強中です。自分の武器が増えていく楽しさを実感しつつ、業務に向き合っています。

——10Xでキャリアを形成する面白さや良い点は、どんなところにあるでしょうか?

tamura:10Xの開発組織は、まだ形が固まり切っておらず、全員で作っている最中です。つまり、組織をどのように変化させていくか、自分たちが直接関与できる部分がとても大きいんですよね。

加えて、事業に向き合う上で個人の成長機会がたくさんあるのも面白い点です。私たちは、エンタープライズ向けに高品質なプロダクトの提供を目指すことと、機動力高くアジャイルに開発を進めることを同時に実現しようとしています。ただ、この両立は簡単ではなく、課題も多いのが現状です。やるべきこと、やりたいことがたくさんあるからこそ、成長につながりやすい環境だと思います。

10Xでは一緒に働くメンバーを大絶賛募集中です!

人事制度に込めた思いと、エンジニアとしてICとマネジメントを行き来しながら多様なキャリアを描き、その人らしいラダーを歩む10Xメンバーの声をお届けしました。10Xで働く面白さや挑戦機会の多さを感じていただけたら嬉しいです。

10Xでは引き続き事業・組織をより良くしていくために、仲間を募集しています!
詳細はこちらをご覧ください。


執筆・村尾 唯(@yui3x9

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