「ネットスーパーの勝ち筋をつくる」グロース・マーケティング領域のこれからとチャレンジ

2023/2/27

ネットスーパーを成長させる、新しい“武器”をつくる──10X内において、そのような役割を担っているポジションが、グロースストラテジーのマーケティング担当です。

世間一般ではマーケティングは「売る仕掛けづくり」というイメージを持つかもしれませんが、グロースストラテジーをリードする松田と川崎は「10Xのマーケティングは事業開発の側面が強い」と言います。では、具体的にどんなことに取り組むのでしょうか。川崎と松田にグロースストラテジーのマーケティング担当の役割について聞きました。

川崎雅史

@ma323kwsk

Business Development

マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造業、交通事業者を中心に戦略策定やオペレーション改善に従事。世界経済フォーラム第四次産業革命センター・モビリティフェローとしても活動

松田 慎太郎

@mattsun10919298

Growth

株式会社ブレインパッドにデータアナリストとして入社。その後株式会社メルカリにてBusiness Intelligence Teamにてプロダクト改善のための分析やアナリティクス組織の運営を担当。その後三井不動産株式会社にてデータ活用プロジェクトの推進・データ活用基盤の運用に従事。2021年8月より10XにGrowthとして入社。

ネットスーパーを広げる武器をつくり、小売パートナーに提供する

──グロース本部は具体的にどのようなミッションや役割を担っている部署なのでしょうか。

松田:ネットスーパーの成長を牽引していくために必要な機能を提供していく本部で、4つのチームから構成されています。具体的には
①小売パートナー(以下、パートナー)のグロース戦略立案とエンドユーザー獲得のためのマーケティング活動を担当するグロースストラテジー
②成長に必要なインサイトを得るためのデータ分析を担うアナリティクス&インサイト
③データサイエンスと10X社内のデータ基盤の整備を担うデータサイエンス&エンジニアリング
④パートナーのデータのStailerへの接続を担うデータプロダクト
の4チームです。データを10Xの事業価値に転換すべく、グロース戦略策定からデータ基盤の作成までを一気通貫で担っている点が、10Xのグロース本部の特徴だと思います。

また、グロース本部が追いかけているミッション自体に変化はないのですが、ここ1年ほどでサービスの成長とともに“戦い方”は変わってきたなと思います。例えば、1年前はデジタルマーケティングを中心にパートナーを支援してきたのですが、最近ではデジタルマーケだけでない幅広い知見の提供に力を入れています。店内でのビラ配りやポスティングなど、オフラインでのマーケティング施策を実施し、いかに顧客接点を広げ、エンドユーザーに訴求していくかがより求められるようになってきています。

10XではスーパーやドラッグストアのEC化を支援する「Stailer(ステイラー)」を提供している


──グロース本部にもいくつかのチームがあると思いますが、その中でグロースストラテジーのチームは主にどんなことに取り組んでいるのでしょうか。

川崎:グロースストラテジーはパートナーに伴走し、グロースさせていくための戦略立案から、その戦略を実現するための“武器”をつくるところまでを担当しています。より具体的に説明すると、大きく分けて3つの役割があります。

1つ目は事業開発(BizDev)に近い役割です。パートナーのグロースに伴走しようとすると、「1年後にどれくらい、どのように成長しているべきなのか」という事業計画策定に加えて、その計画を実現していくために必要な機能の実装やマーケティング施策も含めた活動立案をしていくことが必要になります。そして、その計画を実際に運用に落とし込んでいき、その過程で得られたデータをアナリティクスチームと連携して検証し、パートナーにフィードバックをお返ししていく。この一連の取り組みを繰り返していきます。

2つ目はグロースに必要な施策をより効率的、より効果的にまわしていくための仕組みをつくっていく役割です。具体的には、事業計画をより意味のあるものにしていくための予実管理をやっています。ネットスーパーに関する、さまざまなデータを分かりやすい形でまとめるとより施策の意味合いが見出せるようになっていくので、そうした活動の管理を手助けする仕組みをつくることが求められます。この役割があることで、実際にパートナーとコミュニケーションをとっている人たちが、ネットスーパーを成長させるためにどういう施策をやった方がいい、という話がよりしやすくなります。

そして、3つ目がグロースの新しい“武器”をつくっていく役割です。このポジションを今まさに求めているのですが、イメージとしてはマーケティングの領域に近いと思います。

具体的にはパートナーの事業環境や10Xが保有しているアセットなどをもとに、何をすれば事業計画の達成に効果的なのかを考え、施策を策定していきます。そして、「新しい武器をつくる」という視点を持って、実際に施策を運用していく。ここが重要なポイントです。

例えば、いま探索を進めている施策としては法人向けにネットスーパーで商品を届ける「法人便」があります。今まではデジタルマーケティングとオフラインのポスティングや店舗内での販促が主要な“武器”だったのですが、さらなる成長のためには他の“武器”もつくっていかないといけない。その中で、ポテンシャル、LTV(ライフ・タイム・バリュー)いずれも高い領域である「法人便」はこれまで開拓できていませんでした。そこを開拓し、今後の新たな“武器”にしようとしています。誰に対して、どのような訴求をしていくといいのか。明確な答えは見えていないので、探索を重ねながら、より最適な座組みでやっていく方法を考えているところです。

これまで築いてきたプロダクトを礎に、今後「法人便」の探索も進めたいと語る


また、ネットスーパーの主要なターゲット層は子育て層ですが、その方たちに対しての施策はまだまだ余白が多くあります。そのため、子育て層が使うような施設や媒体を活用して、より効果的に訴求していく方法は何かと考え、施策も打とうとしています。ネットスーパーを広げていくための武器をつくりながら、パートナーに実際に提供する役割を担っているのが、グロースストラテジーにおけるマーケティングのポジションです。

マーケティングと事業開発の間に位置するポジション

──10Xにおける“マーケティング”をお二人はどう定義していますか。

川崎:個人的には世間一般がイメージするマーケティングと事業開発の間のような位置付けかな、と思っています。事業開発の要素としては、さまざまな事業者と連携しながら機会を探索し、一つひとつの武器をつくっていく側面があります。そうした中、あえて“マーケティング”という言葉も入れているのは、マーケティングの知識・感性が10Xでの事業開発には生きてくる部分があると思っているからです。

例えば、子育て層向けの施策を展開するにあたって、そもそもどういう接点があり、どういうメッセージを訴求していくといいのか、を考える必要があります。その際、どういう顧客に対し、ネットスーパーのどこに価値を感じてもらっていて、その価値を表現するためにはこういうメッセージを出した方がいい、というマーケティングの基本である「Who、What、Why」を整理する必要があるので、マーケティングの知見は十分に生かせます。

また、今の10Xには小売企業・メーカー企業出身でマーケティングの知見を強く持っているメンバーはいないので、その知見がある人は間違いなく社内で大きな価値になる。マーケティングの知見と掛け合わせて物事を考えられる人は10Xにフィットすると思います。

松田:付け加えると、このマーケティングのポジションはサービス利用者の顧客像や利用シーン・ユーザーペインについて仮説を持ち、実際のエンドユーザーの声を集めて検証するような「エンドユーザーと向き合う」ことが好きな方にはフィットすると考えています。マーケターが最終的に目指すのはStailerを継続的に利用してくれるエンドユーザーを増やすこと。この実現のために、顧客像を把握し、適切なメッセージを適切なタイミング・手法で伝えることが必要です。なので社内の他職種よりもエンドユーザーと向き合う時間は重要になると考えています。

マーケティングの一環の販促支援で、実際の店頭でビラ配りをする様子


また、10Xのマーケティング施策は事業フェーズによって優先順位が変わっていく可能性が高いです。いまはオフライン施策を充実させたり、事業会社とアライアンスを組んで訴求力を高めたりするのがいいのではないか、という仮説を立てていますが、それも変わる可能性があります。だからこそ、顧客に向き合い、誰に対して何を伝えたらいいのかを考え続けることが必要になっていく。そこに興味関心を持ち、責任を持ってくれる人は10Xで活躍できるフィールドがあると思います。

──具体的にどういうメンバーと一緒に働くことになるのでしょうか。

松田:グロース本部内で言えば、まずは所属するグロースストラテジー部と連携します。グロースストラテジー部はさまざまな役割のチームに分かれているのですが、全体でStailer導入先の事業を成長させていくための事業計画を立てています。マーケティングの方とはこの事業計画に対してどのような施策を打っていくべきか、議論し、ときにはマーケティング視点でのフィードバックを頂きながら、一丸となって目標を達成していければと思います。

また、データアナリティクス部とも連携します。彼らはユーザーがどういう風に動き、成長のボトルネックになっているものは何かをファクトをもとに提示してくれます。そこからインサイトを得て、「こういう施策をやっていこう」というように仮説検証をまわしていくのが基本的な動きになっていくと思います。

──BizDevなど、他の機能を有する部署との連携はいかがですか。

川崎:BizDevとの連携はかなり密になってくると思います。新しい武器をつくっていく段階においては、割とマーケター独自で事業会社とアライアンスを組んで施策を一緒につくっていく部分は進めていけるのですが、実際に新しい武器をもとにマーケティング施策を実施しようとした場合、パートナーにも理解してもらった状態で進めていく必要があります。個々のマーケティング施策を推進していく際、パートナーに意義を理解してもらったり、より効果を高めたりするにはBizDevとの連携が必要になります。そのため、連携しながら一緒に進めていくことが多くなります。

また、実際に施策を打つだけでなく、企業や自治体などに対してどうメッセージを発信していくかという側面においては、PRチームと連携する機会も多くあります。

短期的な成長だけでなく、長期的な成長につながる施策も考える

──現在進めているマーケティング施策に関しては、パートナー個別の理由で進めるのか、それとも「アイデアを試すなら、このパートナーが良いのではないか」という形で進めるのか、どちらが多いですか。優先順位のつけ方もあれば教えてください。

川崎:両方の進め方があるかなと思います。ネットスーパーを伸ばしていくための方程式がまだ出来上がっていないこともあり、今は社内の人はもちろんのこと、社外でマーケティングの知見を持っている人たちとも話をしながら、「こういう施策を実施したら面白いのではないか」というアイデアを出し合い、探索を進めているところです。

一方で、ネットスーパーという事業単体で見たときに、10Xと組む前からすでに10年ほど運用してきた経験のあるパートナーもたくさんいるので、その運用過程で培ってきた知見やノウハウは施策を考える上での貴重なインサイトになります。そのため、どちらの進め方もあるというのが正直なところです。そうした探索すべき施策のタネはリスト化し、管理しています。

実行の優先順位に関しては都度、議論しているのですが、基本的には「インパクトが大きく、実行可能性が高いもの」「短期的な足元のGMV成長に必要なもの」を優先順位を決める際の軸にしています。ただ、それだけではすでに作られている武器を使い倒し、予算やリソースを確保して実行するだけになってしまうので、長期的にはユーザー開拓につながるかもしれない施策も探索し、実行するようにしています。ここに関しては、グロースストラテジーチームからパートナーを見ているBizDev側に、「このパートナーと一緒にやっていきませんか?」と提案していきます。

松田:今の10Xは仮説検証が大事なフェーズ。既存のアイデアを試していくこともそうですし、マーケターが持っているアイデアをどんどん実現していくことで、効果的な施策を見つけていくフェーズになります。そのため、仮説検証が好き、得意という人は合うと思います。また、さまざまな施策をポートフォリオで考える必要があります。短期的にやるべきこと、中長期的にやるべきことに加え、どういうユーザーに刺さるかなど、「このひとつをやればいいか」というように施策を考えるのではなく、さまざまな施策を組み合わせて戦略を練っていく思考が必要になります。そういう意味では複数のものを扱い、それらを仮説検証して優先順位などの組み合わせを考えるのが好きな人、得意な人は向いていると思います。


顧客志向が強く、フットワークが軽い人はフィットする

──マーケターはマーケティングに投じることのできる「予算」を気にする人も多いと思いますが、10Xの予算についてはいかがですか。

松田:パートナーに「ネットスーパーにこれだけの販促費をかけるべき」としっかり説明をした上で理解・共感していただき、それに対して私たちが最大限の効率、獲得戦略を考えて遂行していくのが理想的なあるべき姿だと思っています。もちろん、それは時間がかかるものだとも思っているので、販促予算を10Xが持ち出し、実績をつくっていく取り組みもやっています。アイデアを試せる土台はあると思います。

ネットスーパーの勝ち筋を作るべく、日々さまざまなチャレンジを模索している


──最後にフィットしそうな人物像があれば教えてください。

松田:顧客志向が強い人ですね。これは「マーケティング」というジョブタイトルに込めた意図でもあります。Stailerの魅力をしっかり伝え、必要としている方に届けることで長く使っていただけるお客様を集めるという観点に立って、さまざまなことを試せる人。私たちの事業もどんどん変化していくので、その中で尖ったスキルを適用していくのもそうですが、変化に合わせて柔軟に攻め方を変えられる人はフィットすると思います。

スキルや経験に関しては、さまざまな事業者や地方自治体とアライアンスを組み、何かを進めていく経験がある人はフィットすると思いますし。マスマーケティングやデジタルマーケティングの経験がある人もフィットすると思います。

川崎:いろんな探索的な動きをフットワーク軽くできる人ですね。例えば、法人便をやるにしても、いろんな保育園や老人ホームに電話してみるといったことはファーストアクションとして求められます。また、工数を割かずにやることを目指す際も、どういう事業者と一緒にやっていくと効率的に運用できるかどうかを外部の事業者に話しながら、どこに可能性がありそうかを探索する活動も必要になる。好奇心の強さ、フットワークの軽さ、アライアンスを形作っていく力はより強く求められると思います。また、ネットスーパーに対するパッションを持っている人はより親和性が高いので、ぜひ一緒に働きたいですね。

昨年実施されたグロースチームのオフサイトの様子


──この記事を読んで共感いただいた方、ぜひカジュアル面談からお話しましょう!


RECRUIT

10xへの到達率は、まだ0.1%。
あなたの力が、必要です。

JOIN OUR TEAM

CONTACT

10Xへの取材依頼やお問い合わせはこちらから。

CONTACT US