机上だけの専門家は不要。必要なのは「人事をツールに、事業を伸ばす覚悟」

2023/9/22


今年4月、HR本部内に「HRBP部」が新設されました。

人事・組織課題を解決することを目的に設立されたHR本部。しかし、「HR本部とHRBP部ってどんな関係?何が違うの?」「人事・組織課題って具体的には何なの?」と思った方もいるかもしれません。

HR本部長のTakeshiさん、HRBP部長のmanabeさん、そしてHRBP部メンバーのmutsumiさんに、HRBP部ができた経緯やこの半期の振り返り、そしてこの先HRBP部として何を成し遂げたいかを伺いました。

この記事を読めば、10XのHR本部・HRBPについて誰よりも詳しくなれます!

吉田 毅(takeshi)

HR本部長

流通業・商社を経て03年にヤフー株式会社に入社。法人営業、営業企画などを担当したのち、12年から人事部で組織開発推進に携わる。15年6月にSyn.ホールディングス株式会社(現 Supershipホールディングス株式会社)に入社、人事部門を管掌。19年6月にDATUM STUDIO株式会社 代表取締役社長に就任、22年6月に退任。同年10月より株式会社10XにHR本部長として入社。

真鍋 卓也(manabe)

@manataku14

HRBP部長

国際協力機構にて主に水・環境分野における途上国支援業務に従事(スリランカ駐在)。その後、ラグビーワールドカップ2019組織委員会において人事戦略業務を担当。大会終了後、地方創生ベンチャー、EYにて主に官公庁向けのプロジェクト・大規模国際イベントの立ち上げを推進・実行。趣味は旅行とラグビー観戦。

小酒井 睦美(mutsumi)

@m_kozakai

HRBP

株式会社ビザスクで広報部門の立ち上げを行った後、株式会社IDOMで広報に従事。その後、ビザスクにHRとして出戻り、主にエンジニア/ 新卒採用&研修担当として上場後の組織拡大を経験。2022年7月より10Xに入社。

未来の組織のために、ソリューションを蓄積する部署

——まずは、10XのHR本部について教えてください。

takeshi:HR本部は、人事ソリューションを用いて各事業部の組織課題や事業課題に向き合う部門です。エンジニア本部、プロダクト本部などの各本部と密に人事・組織課題を解決していくHRBP部と、当該課題解決に向けたソリューションの企画・提供を横断して行うHRプランニング部から構成されています。

——なぜ、その2つの部に分けたのでしょうか。

takeshi:10Xがスケールアップしても、HR機能がきちんと働く組織を今の段階から構築しておこう、という意図です。現在10Xには、約120人の社員が在籍しています。これから500人、1000人と拡大していく中で、各本部が抱える課題はより複雑化していくはずです。

今の段階からソリューションを貯めておけば、スケールアップして新たな課題が発生したときにも、慌てずに対応できるようになる。そこで、デリバリーに特化したHRBP部と、企画に特化したHRプランニング部の2部構成にして、効率的にHR施策を回して行くことしました。

——ここ最近、HRBPを導入する企業が増えてきています。10XならではのHRBPの特徴はありますか?

manabe:まず、HRBPとは「Human Resource Business Partner」の略称です。「人・組織の観点から事業の問題解決を行いたい」「事業と組織がアラインすることを目指したい」という目的から導入する企業が増えていますが、所掌業務は各社によってばらつきがあります。採用業務がHRBPの主務になっている企業もあれば、人材開発が主務の企業もある。

10XのHRBPは、「どの業務がメイン」とは決めていません。部署やフェーズによって課題は異なるので、対話しながらその時点での課題を探り、解決のためにはどんなソリューションが必要かを各本部の本部長及びHRプランニング部と一緒に考えていきます。HR体制を考えるにあたって、代表のyamottyさんから常に「組織がある前に、事業がある」と言われてきました。事業を伸ばすために、組織を可変させていく。そのために、HRBPは枠や型にはまらず何でも進めていく、そういう前提で取り組んでいるのは10Xらしいかもしれません。

——各本部長と直接対話して、対峙する課題を決めるのですね。すごく本質的だと思う一方で、忙しい本部長のスケジュールを抑えるのは大変ではないですか。

manabe:そこは、HRBP部を“信頼”してもらうことでクリアしていきました。まずは、本部長が「解決したい課題」にとにかく尽力する。もし「今クオーター2名採用したい」というなら、それを100%達成できるようなソリューションを出すんです。

ここで大事なのが、僕たちから課題を出すのではなく、各部で出してもらうこと。自分たちが本当に取り組みたい課題に一緒に向き合うから、本部長たちのモチベーションが高いのだと思います。

一方で、今のHRBP部は「赤字を掘っている段階」だと自覚しています。4月に立ち上げてから、人事的な採用、評価制度、人材・組織開発といった機能・ツールを提供し、各本部から要請された課題に対して全力でサポートしてはいますが、まだそこまでの段階です。本質的には、事業のことを理解し、先回りして各本部へ提案したり、探索的なチャレンジができるHRBPになっていきたいです。今は、そのための信頼貯金を蓄えているところです。

HR本部メンバーの集合写真

人事・組織の専門家として、本部長のパートナーになる


——今年4月に立ち上がったばかりのHRBP部。立ち上げから約半年が経とうとしています。この半期はどうでしたか。

takeshi:社内に「組織づくりに悩んだら、HRBP部に相談したらいい」という雰囲気を醸成できたのは良かったですね。各本部長と最低2週間に1度は話をしたり、コーポレートと一緒に評価制度や人員計画を見直したり、マネージャー陣から評価・等級に関する相談をもらったりしながら、HRBP部への信頼が積み重なってきている実感はあります。

——今期生まれたソリューションはありますか。

mutsumi:BizDev向けの社内研修を立ち上げました。私はBizDevが所属する本部を担当しているのですが、色んなスキルセットが求められるBizDevという職種の特徴もあり、本部長やメンバーから「どんなに忙しくても、常に学び続けなければいけない。それが10Xの求めるBizDev像の一つでもある」という話をよく聞いていて。今はそれぞれでインプットしているけど、今後組織フェーズが変わるとともに必要なスキルも増える中で、会社として横軸で学べる場があると効率が良いよね、と。

そこで、週に1度BizDev向けのインプット会を開催することになったんです。内容はその時々で変化しますが、講師はBizDevメンバーでマーチャンダイジング領域に強いメンバーとグロースに強いメンバーが交代で担当します。実際に参加したメンバーからは、「今まで点だったものが線でつながった」「忙しい中で効率的にインプットできた」というフィードバックをもらっています。

BizDevチーム以外からも参加・視聴がありました

——BizDev全体のスキルの底上げにも繋がりそうですね。ちなみに、HRBPでは現在どんな目標を掲げているのでしょうか。

manabe:KPIやOKRで目標を管理している企業が多いと思うのですが、HRBP部では期初に「担当HRBPが本部長と合意したイシュー」を追いかけています。

たくさん目標を掲げてもすべて達成するのは難しいから、絶対に達成したい人・組織のイシューを少数に絞って毎週進捗を追いかけています。この半期は、HRBP部全体として「各本部と合意したニーズベースのイシューを90%達成する」ことを目指しています。

——各HRBPの取り組みをどのように進捗管理しているのですか。

manabe:ハドルと呼ぶ週次ミーティングで進捗確認しています。例えば、事業開発本部では「採用100%充足」をイシューとして掲げていて、達成のために先週はこんな施策をしましたよ、とか。

各部門ごとに一人ひとり担当者がいます。でも、メンバー全員で毎週進捗状況を共有して、達成に向けたアクションも見える化されるから、HRBPが1人で悩んだり迷ったりすることは少ないですね。
 
——各部門でイシューを掲げるとのことですが、HRBPはイシューの決定にどの程度関われるのでしょうか。現状、課題は各部門から出してもらうというお話もありましたが……。

takeshi:採用でも人材育成でも、その事業の成長に関連するものであれば最終的な意思決定は事業サイドの責任者にあります。ただ、その決定をサポートするために、僕たちHRBP、つまり人事と組織の専門家がいる。専門家の立場からディスカッションをリードして、本質的な課題は何か、そこに対してどんなアプローチができるのかを一緒に考えていきます。

相手から課題が出てくるまで待っているのではなく、話を掘り下げて、課題を一緒に見つけに行くんです。しっかり現場に入り込んで、一次情報を収集し、頭だけでなく手も動かす。だから、できることの幅はかなり広いと思いますよ。

決められた正解のない仕事。でも、その解を見出すのが楽しい

——現在、HR本部では採用を強化しているそうですね。

manabe:はい!我々もまだHR本部内で最適なフォーメーションを検討中で、2つのポジションの求人票を公開しています。一つは、エンジニアリング本部担当HRBP、もう一つはHRプランニング所属で、人事データ活用をリードいただくポジションです。

——それぞれ、お聞きできればと思います。まず、エンジニアリング本部担当のHRBPは、どんなことを担当していただく予定ですか。

manabe:CTOとエンジニアリング本部長のパートナーとなって、人事や組織の課題の抽出・解決をしていただきます。また、適性や希望によってはHRプランニング部との兼務の可能性もありますね。
HRBP(エンジニアリング本部担当)募集詳細

——HRBP部とHRプランニング部の兼務もありうる?

takeshi:実は、manabeさんはHRBP部長ですが、HRプランニング部も兼務しているんですよ。機能は2つの部署に分かれているけど、基本的には一体運営しているんです。どちらにも興味がある方だと、より楽しんでいただけるかもしれませんね。

——なるほど。採用者は、HRBPとしてエンジニアリング本部の人事・組織課題と向き合っていくと思います。現状、エンジニアリング本部ではどんな課題を抱えているのでしょうか。

manabe:解決すべき課題については、入社後にCTOや本部長と話し合いを重ねて決定していくことになりますが、まずは採用ですかね。あたりまえですが、エンジニアがいないと10Xのプロダクトは世に出せません。技術力も大事ですが、それ以上に10Xにフィットするかどうかを重視した採用活動が求められます。

また、評価制度や人材開発についても、チャレンジしたいことはたくさんあります。エンジニアと言っても、アプリ開発など成果が見えやすい領域の方もいれば、保守など一見すると成果が見えづらい方もいる。それぞれの職種の方がより公平に評価されるよう、評価制度は定期的に見直していきたいですね。

人材開発については、まだまだこれからなので何が最適か、という点から考えて行けたらと思います。。現状、10Xのエンジニアはシニアレベルの方々がほとんど。長期的な目線で見ると、より多様なキャリアの方を受け入れ、育成する仕組みが必要だと感じています。同時に、シニアレベルの人たちのさらなるスキルアップにつながる学びやアサインも提供できるような仕組みを作っていきたいです。

——もう一つの人事データ活用をリードするポジションは、どのようなことを担当していただく予定でしょうか。

takeshi:HR本部が掲げる主要戦術の中に「データドリブン」があります。将来的な人的資本経営の観点で、今からデータ活用を整備していきたいですし、またそのデータに基づいてミドルマネジメントが適切な判断を下せるように支援したいと思っています。
HRプランニング部(データ活用)募集要件

manabe:この半年間データ活用については議論を進めていますが、リードする人を立ててぐっと動かしていく必要があると考えています。データは集めており、きちんとそれぞれの場所に蓄積してきていますが、可視化も分析もまだまだです。

takeshi:当初の求人票はエンジニアリング本部担当のHRBPだけを想定していたのですが、もう少し幅広いフォーメーションを今なら検討できると思い、こちらのポジションも公開しました。データ活用に知見があり、かつ、HRプランニングの採用企画・制度企画・人材開発企画のいずれかをリードできる方に仲間に加わっていただき、既存のメンバーでエンジニアリング本部を支える、というフォーメーションも考えうると思っています。

manabe:今、そして未来の10Xの組織のために必要なポジションですが、ポジション要件に縛られすぎず、その方のバックグラウンドや思いを踏まえて、日々、ベストな体制を一緒に模索していきたいと考えています。ますので、ぜひ多様なバックグラウンドを持つ方とカジュアルにお話していきたいです。


——人事のバックグラウンドは必須要件ですか?

manabe:エンジニアリング本部担当HRBPに関しては、あると役に立つとは思いますが、必須ではありません。僕自身も、ほぼ人事経験がない状態でHR本部に採用されていますしね。

それよりも、エンジニアリング本部と一緒に「どうしたらエンジニアが生き生きと働けるんだろう」と真剣に考えられること。また、CTOや本部長がパートナーとなるので、リーダーシップを発揮できることを重要視しています。

人事データ活用をリードいただくポジションについては、業務の特性上HR経験があると良いと思っています。

——では、この仕事の面白さは?

takeshi:HRの仕事は、総合格闘技のようなものなんですよね。採用や制度、人材開発といったあらゆる武器を使って各部門の課題を解き、組織全体のケイパビリティを高め、事業を成長させていくんです。

組織がスケールアップするにつれて、課題はますます複雑になっていきます。そこにチャレンジしていきたい、解にたどり着きたいという方には、刺激的で面白い環境だと思いますよ。

——HR本部の雰囲気についても教えてください。

mutsumi:現在6人のメンバーがいますが、住んでいる場所も、バックグラウンドも、性格も、得意もそれぞれ全く異なります。でも、みんな仲良いですよね。

takeshi:大阪など、地方在住のメンバーもいるので、勤務はリモートワークがメイン。でも、オンラインでのコミュニケーション量が多く、そしてその透明性はかなり高いです。毎朝オンラインでショートミーティングをしたり、毎週金曜日に「Winセッション」という振り返りを行ったりしています。また、HR本部に限りませんが、10X全社でドキュメント文化が定着しているので、途中から加わった人でも、過去の施策の意思決定の背景も事細かに記載されているので、追体験やキャッチアップがしやすい環境が整っているのを感じます。

——コミュニケーションの多さが、「仲が良い」秘訣なのですね。ショートミーティングと、Winセッションについて教えてください。

takeshi:毎朝のショートミーティングでは、15分間でその日にやることや困っていることを相談・共有しています。Winセッションでは、1週間を振り返って感謝の気持ちを伝えたり、できたことを称賛しあったりと「Win」なことを共有しています。これがあることで、リモートワークメインでも10Xのバリューでもある「One Team」となって働けている実感がありますね。

manabe:いい意味で、雑談をよくしますよね。ミーティングのアジェンダに雑談を取り込んで、話したい雑談内容もちゃんとデータベース化しているんです(笑)HR本部に限らず10X内全体の文化なのですが、かなり秀逸だと思うんですよね。プライベートの悩みは、仕事のパフォーマンスにも影響するし、逆もしかりですから。

——ありがとうございます。最後に、チームメンバーとして、どんな方と一緒に働きたいかそれぞれ教えてください。

takeshi:HRの仕事は、決められた解があるわけではありません。悩んだり、迷ったりすることも多いと思います。それでも解を出すために歩み続けられる、思考体力のある方とご一緒できると嬉しいですね。

manabe:僕は、元気で前向きな方ですかね。10Xは、ネットスーパー・ネットドラッグストアという現状正解や成功までの方程式が見えているわけではない事業に対して、組織全体で向き合っています。同じ温度感で、粘り強く探索し続けられる。そんな元気で前向きな方なら、きっと仕事を楽しめるんじゃないかな。

mutsumi:私が10Xを“良いな”と思うのは、採用に注力しようとか、事業にリソースを全振りしようとか、今のフェーズの枠に合わせたことをするのではなく、未来のための投資を惜しまないところ。HRBP部の設立も、まさにその一環だと思っています。

このような10Xの一面を「良いな」と思っていただけたら、気軽にご応募いただけると嬉しいですね。

執筆・仲 奈々(@nanapan0728)


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