【座談会】起業・音楽活動・大学院…挑戦を続ける10Xメンバーの「第2の顔」を覗いてみた

2022/12/27

10Xでは、チームとしての成果を最大化しながらも、個人が裁量を持って柔軟に働ける制度・環境の構築に取り組んでいます。
そんな10Xでは音楽活動・大学院進学・起業……など、業務外でもさまざまな活動にコミットしているメンバーがいます。今回はそうしたメンバーの座談会を実施。日々10Xでの業務を続けながら、どうやって個人のやりたいことを実現しているのか、ざっくばらんに聞いてみました。

宇賀神 卓馬

@ugazin

サポート部 マネージャー

大学中退後、ギタリストとして二度のメジャーデビューを経験。サマーソニック2008、HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMPに出演するなど活躍する。GMOペパボ、BANK、Heyを経て2021年より株式会社10Xにてサポート部にジョイン。マネージャーとして、組織体制と業務フローの構築を行う。

萩原 美緒

@miopooo

HR

クックパッド株式会社で採用の立ち上げから上場以降まで携わる。その後、海外事業や子会社の新規事業を経験。北海道に移住し、2019年に無添加おやつの開発を行うコロッケ株式会社を創業。併行して2022年2月に10X入社。青森県出身、2児の母。ビールが好き。

津田 麻美子

Corporate Operations 部長

人材紹介会社にて営業職、ベンチャー企業にて幅広いHR業務を経験。その後、各種オペレーションの構築・運用の経験を経て、10Xへ。美味しいものを食べることに目がない。

音楽活動・起業・大学院進学…10Xメンバーが業務外で取り組んでいること

ーまずみなさんの自己紹介と、10Xでの業務 / 業務外で取り組んでいること・勤務時間について教えてもらえますか?

宇賀神:21年12月に入社し、10XではCSとしてチームの構築などを行っています。社内では「wu-tang(うーたん)」と呼ばれています。

20代の頃からロックバンドをしており、今も継続して音楽制作をやっています。1歳と3歳の子育て中でもあります。8時間以上働いた時の人のパフォーマンスを信用していないので「残業はしないし、人にも残業させたくない」というポリシーで業務に取り組んでおり、音楽や子育てへの時間を作っています。

宇賀神さんの音楽活動中のお写真

萩原:22年2月に入社し、エンジニアとデザイナーの採用・HRBP業務を担当しています。10Xで働く日は、朝8時頃に勤務を開始、18時前後に終わることが多いです。現在は週4勤務で働いています。
10X以外の活動として、北海道で自分の会社をやっていて、子ども向けのおやつの開発・販売を行っています。起業して今で2年ちょっとになります。

萩原さんが北海道で展開されている事業「pocco」

津田:21年の3月に入社し、現在はCorporate Operations部の部長としてマネジメントをしています。Corporate Operationsは、総務・庶務・人事労務・法務・情シス…とコーポレートにまつわることを広く担当しているチームです。
個人活動として、2022年の4月に大学院に入学、法律学を学んでいます。もともと法学部出身で社会人になってからも細々と勉強を続けてきたのですが、法律のより深い知識を得たいと考え大学院進学を決めました。
普段の業務時間としては、9時頃から開始し、授業があれば18時頃に終わらせています。プロジェクトが忙しければ、授業後に業務を再開することもあります。

関連Podcast : #18 働きながらの大学院進学について、あるいは10Xが大切にする「プライベート最優先」とは


子育て中だけでなく「10Xで働く全ての人」が働きやすい環境

ーみなさんが、10Xの制度で有用だと感じているものはありますか?またカルチャーや働き方で好きなポイントがあれば教えてください。

萩原:10Xには私含め子育てをしているメンバーが多いのですが、子育てというのはあくまで一つの事象にすぎず、メンバーがそれぞれのプライベートを大事にしながら10Xへコミットもしている、というカルチャーがいいなと思っています。

宇賀神:先週家族が体調不良になったのですが、通院などに結構時間がかかってしまい、結局当日に1日お休みを取得しました。その際、Slackの報告には「家族最優先」というリアクションが10個くらいついていたことがありました。前職も働きやすい環境ではありましたが、制度や理解ある上司がいるだけではなく、会社全体が理解のある空気であることはありがたいです。

津田:成果を出していれば、細かいところは言われないカルチャーですよね。業務途中で一度抜けたり、有給を取得する時にいちいち理由は聞かれないですし。

子育ては昨今の社会的な要請もあって比較的人に説明しやすくて、特に10Xの場合は「この人は子育てしている」と分かってもらいやすいところがあると思います。一方で「大学院で勉強しています」というのは一般的に「個人のことでしょ?」という空気感になってしまいがちだと思うのです。でも10Xは子育てだろうとその他の理由だろうと、どういう理由で休みを取るのかをいちいちエクスキューズをしなくていい。私は実際に、単位取得に必要な論文レポート執筆が手一杯で半休取得したこともあります。

津田さんの大学院のレポート執筆時の様子


萩原:私は採用担当なので候補者の方とお話しする機会も多いのですが、津田さんが大学院に通われているという事例を話すと、すごくポジティブに受け取ってもらえることが多いです。

津田:人事制度としては、勤務時間中の中抜けや育児・介護以外の理由での時短勤務も、チームワークが担保できる範囲でOKとしています。採用候補者や入社者には制度だけを伝えるのではなく、この制度設計に至った背景も含めて伝えるように努めています。10Xにはいろんな働き方・バックグラウンドの人がいて、その上でチームで成果を出すことが大事であり、それを支えるための制度がある、というのがポイントですね。「子育て世代」だけをサポートしたいわけではなく「子育て世代も含む全ての人」が働きやすい環境にしたいなと思っています。


働きながらプライベートとの両立を実現するスケジュールについて

ー具体的なタイムラインと、カレンダーやSlackの設定など、働く上でのTipsなどがあれば教えてください。

萩原:私は週4勤務ということもあり、週1は不在の設定にしています!今は火曜日を自分の事業をやる日としていて、カレンダーを予めブロック、Slackもディスプレイネームを変えてAway設定にして、自分のスケジュールをチームに共有しています。ついSlackが気になってしまうこともあるのですが、私のこの働き方をチームにも応援してもらっているからこそ、今日は自分の会社のことを頑張ろう、と考えています。通知は次の10Xの勤務日にまとめて確認するようにしています。

宇賀神:今は業務開始前の朝7〜10時を個人的な制作時間に充てています!もしこの時間に起きれなくても、業務時間には間に合う、という算段ですね。この時間だと、まだ子供も起きておらず、比較的自分のために確保しやすい時間なので。

また、業務時間には被らない時間だからこそ「今こんな音楽を作っています」というSNSの発信なども気にせずにできています。朝の時間帯はそもそもメンションなども来ないので、Slackなどもあえて制限している感じはないですね。Slackは業務時間のみ見ることにしています!

作業時間は朝7〜10時!と固定することで、制作を続けられているそう


津田:カレンダーで授業時間をブロックしています。授業中はSlackを見ないようにしていますが、業務上緊急性が高いメッセージが夜に来ることもあるので、21時の授業終わりに対応しています。人事制度移行のプロジェクトが佳境だった8〜10月は、日中のミーティングが多く、夜にならないと作業できなかったこともあり、そうした働き方をしていました。

10XのSlack利用ガイドラインにもこんな一文が記載されています



10X Workstyleで今のライフスタイルが実現できた

ー今の働き方について、マネージャーとチームメンバーと相談されましたか?また働く中でのギャップはなかったのでしょうか。

宇賀神:今は1人の制作で、かつ業務時間に基本引っかからないところだから、というのもありますが、自分の働き方について、しっかりと話したことはないかも。雑談としてはよく話していますが、ステークホルダーに認識しておいてもらう、という感じではなくあくまで仲がいい人と話す、というテンションです。

CS(カスタマーサポート)という職種柄、休日に待機が発生することもあるんですね。ややこしい案件などが来てしまった時のために、きちんと作業部屋のPCの前で対応したく、待機の日は基本作業部屋にいることにしています。PCを使っていると絶対にメンションに気づくので、待機時間は音楽の作業をしています。おかげで作業時間も確保できていますし、待機に入った分は代休をもらえるので、その分、別日を家族時間に充てています。土日に待機がある勤務体制は初めてでしたが、制度のおかげで働きやすいです。

津田:制度のおかげ、と言ってもらえると嬉しいです!私は上司がCFOの山田さんで、大学院の願書を出すタイミングでまず相談しましたが「いいんじゃない!」と一言。そして入学試験に必要な研究計画書のアドバイスまでしてくださいました。入学前のタイミングでも改めて相談しています。その頃はマネジメント業務に移行しつつあり不安もあったのですが、その際も「大丈夫じゃない?ハンドリングできるでしょ」と背中を押してもらいました。

私が入社したころは、社員数20人程度の時期で「着実に成長していこう」というモードでしたが、会社の成長が加速したこともあり、以前と多少働き方は変わってきました。でも会社の急成長はスタートアップの醍醐味と考えているので、自分としてはギャップはないですね。

萩原:働き方については入社前から相談しており、自分の会社を続けていく前提でオファーをもらいました。私は地方在住で商品を開発し、小売と取引しています。ちょっと変わった経歴ですが、そんなバックグラウンド10X社員の多様性に寄与しているからこそぜひ大事にしてほしい、と言ってもらえています。

入社後もチームはサポートしつづけてくれており、とてもありがたいです。10X Workstyleを活用し、入社時からフルリモート、かつ週4勤務だったので不安もあったのですが、ギャップなどはなかったです。

2022年1月から、オフィス出社・リモート勤務を自由に選択できる「10X Workstyle」を導入しています



宇賀神:10X Workstyleに助けられていることは多分にありますよね。今、音楽制作に使っている毎日の3時間ってどこからやってきたのかと考えると、完全に通勤時間なんです!もともと通勤に往復2時間くらい使っていたので、準備も含めるとそれくらい。もし今後出社があれば、音楽に費やす時間が減っちゃいますね…

津田:私もです。授業も会社も完全リモートで、通勤・通学時間がないからこそ今のライフスタイルが実現できています。大学の授業もリモートがメインということもあり、授業の直前まで10Xの業務ができています。

津田さんの本棚には法学に関する書籍が並んでいます


萩原:たしかに、私は北海道で事業をしていて、関連している工場は全て北海道なので、10X Workstyleがなければそもそも入社できなかったですね…

津田:今はフルリモートですけど、以前は「水曜日はオフィスデー」として全社メンバーが会社に集う時期もありましたね。

宇賀神:個人的には、新型コロナの感染状況が落ち着けば、水曜の出社デーが復活してほしいな、と思うこともあります。折を見て社内のメンバーと直接話したり、ご飯を食べたりはしていますが、まだまだ話せていない人も多いので。コロナ以前の前職時代は、毎日会社の仲間とランチに行って、業務未満〜プライベート以上の話をしていたと思います。そういう機会が懐かしいですし、そうした関係が持てるとより働きやすくなるだろうな、という実感もあります。

萩原:完全同意!もっとリアルに会う機会を増やしたいな、と思っています。

宇賀神:今も出社自体が制限されている訳ではないので、オフィスに行けばいいんですけど、日によって出社率は違うので……みんなに会えるから水曜日は出社する!みたいな確固たる動機がないと、なかなか出社する気概にならず(笑)


プライベートと業務を両立する上で大事なことって?

ー今の働き方を続ける上で難しいこと・葛藤・お悩みなどはありますか?

津田:ありましたね…。4月の大学院入学以降、バックオフィスのチームが一気に立ち上がってメンバーが増えたり、7月から人事制度移行のプロジェクトを引き継いだりと、並行して新しいことが起きすぎてしまい、インプット過多だった時期がありました。新しい授業・新しいプロジェクト・新しいメンバー……となると、単純に脳みその処理が追いつかず。その時はたまに有給を取得し、脳みそを空っぽにする時間を意識的に作っていました。

萩原:今は葛藤はないですね。自分の事業については、大きく仕掛けるというよりは、細く長く続けていく、と定めたので。でもこの線引きができていない状態なら、葛藤があっただろうな、と想像しています。今は「ここまでやる」というボーダーを持てているからこそ、心が安定しています。

地元北海道での事業に取り組む萩原さん


宇賀神:なるほど。私は線引きができていないがゆえの葛藤がすごくあります。プロ時代と変わらない目標を持っていて「もっと売れたい!」という気持ちがあるからこそ、なかなか目標が達成できない現状に、常に葛藤しています。ある程度高い目標を持たないと、自分としては面白くないんですよね。

私は音楽を完全な趣味とは捉えていなくて、もっと戦っていきたい気持ちがあるんです。ただ、自分の目指す目標はレコード会社やバンドメンバーの力を借りないとなかなか超えられないところでもあり、常に葛藤しています。あと最近は、単純に体力がついていかない感じもありますね。

萩原・津田:体力、分かります……。

宇賀神:若い頃の体力が今ほしい(笑)

津田:今は基本的に週4授業なんですが、夏休みの特別講義を受講していたころは週6で授業があり、完全にパンクしました。

萩原:私は可能な限り抗おうとしていて、執拗に運動をしています(笑)キックボクシングに通ったりしています!

宇賀神:大事ですね。私も今体力をつけられるような生活を計画し直しています。子供を育てながら、仕事もしながら、制作を続けていけるライフスタイルを模索しています。

津田:今の話を聞いて、私も運動しようと思いました(笑)


個人がやりたいことを実現でき、それを肯定される社会であってほしい

ー「10Xのここがもっとこうなれば」と思うことや、世の中全体の働く人達の環境に関して「もっとこうなってほしい」と思うことはありますか?

津田:10Xにはもっともっと多様なバックグラウンドの人が入ってきたらいいな、と思います。今いる社員と全然違うことをやっている人がいれば、それだけ社内に視点が増えるので。

世の中に対しては、社会人になってからの学び直しがもっと普及すればいいのに、と考えています。実務経験を経たからこそ、知識が入ってきたときの理解度・解像度が学生の頃と全然違うんです。学び直しの選択肢を持つ人がもっと増えるといいな、と。

宇賀神:私も世の中に対しては結構思うところがあります。日本では、個人でやっている音楽制作などはあくまで本業の下に位置している感じがあるんですよね。でも僕にとっての音楽は、英語でいうところの「ライフワーク」であって「趣味以上・副業未満」なものなんですよね。

萩原さんの事業も、津田さんの大学院も、私の音楽活動も、趣味の域を逸脱して挑戦していることじゃないですか。趣味と仕事の中間も絶対にあるはずなのに、なぜか「本業」「趣味」の二元論で語られてきた。最近はそういうものの一部が「副業」として認識されはじめたのはいい流れだと思いますが、本業〜副業〜趣味の間にも、もっとグラデーションがあるはず。本業くらいの時間やエネルギーを使っている副業とかもあるはずだし。このあたりの認識がもっと自由になって、やりたいことをやれる若者とかが増えればいいなと思っています。

宇賀神さんは、12月21日にも新アルバムをリリースされたそう!


萩原:10Xに対しては、津田さんもおっしゃってた通り、地方・性別・年齢……もっと多様な人が増えればいいですよね。それは10Xの事業対象が小売で、全ての人に関わることだからです。

世の中に対しては、宇賀神さんも言っていた通り、やると決めたことを実現できる社会であってほしい、と私も思います。私は自分で事業を立ち上げたからこそ、多くの学びがあり、いち組織人として自身の在り方を見直す機会にもなりました。また、事業での失敗もあったからこそ、会社への感謝の念がさらに生まれたり、すごく視点が増えた実感があります。個人がやりたいことに挑戦でき、それが肯定される社会であってほしいですね。

ーありがとうございました!

※本記事の取材は2022年11月に実施いたしました。


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