QAとPdMが共創したら、1年で会社が変化した話【私たちのAs One Teamな取り組み】
10Xでは、「Think 10x」「Take Ownership」「As One Team」という3つのバリューを掲げています。今回取り上げるのは「As One Team」。『一丸となって連帯する』という意味は分かるものの、「10Xにおける具体的な『As One Team』って?」「100人以上の組織で、本当に実現できているの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
このシリーズでは、部署や職種を横断して「As One Team」を体現しているメンバーに、10Xのリアルな仕事現場を伺っていきます。第一回目のゲストは、品質管理部部長のtarappoさんと、PdMのenamiさんです。部署も職種も違うふたりですが、いったいどんな場面で「As One Team」を発揮しているのでしょうか?
DeNAのSWETグループに所属しいろいろなプロジェクトや施策に携わる。 テストを広げるためにTest Nightなどの勉強会の設立や「iOSテスト全書」や「Androidテスト全書」を執筆。2022年4月より10Xに入社。2児の父で好きな食べ物は餃子。
北海道出身。サントリーでの営業経験後、創業直後のITスタートアップに転職しPdMとしてのキャリアをスタート。医療系ベンチャーでのPdM兼事業責任者、教育系スタートアップでの新規事業プロダクトオーナーを経て、2022年7月から10Xにジョイン。
職種を超えてリスペクトし合う文化
——tarappoさんが10Xで担当されていることを教えてください。
tarappo:職種はSET(Software Engineer in Test)ですが、現在は品質管理部部長としてStailerの品質管理に関わることに幅広くコミットしています。
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10Xにおける目指すQAの姿とそうしたいワケ | 株式会社10X
2020年5月にリリースしたStailerは、現在2周年を超え、またパートナー企業も日々増えていっています。 2022年4月に1人目のSETとして平田 敏之さん(@tarappo)が入社し、QAチームのリーダとしてStailerのQA(Quality Asuuarance)の管理・改善に取り組んでいます。10Xの1人目SETで、Quality Teamのリーダーでもあるtarappoさんに「10Xにおける目指すQAの姿」と、その理由について話を聞きました。
https://10x.co.jp/blog/10xblog/qa-team-interview/
——enamiさんの10Xでの担当も教えてください。
enami:私はPdMで、役割は大きく3つあります。1つはパートナーの課題の特定・整理をし、プロダクトの力でどう解決していくか考えること。2つめは職種横断のチームに所属し、品質の向上・管理のための新しい取り組みを企画・運用すること。3つめは目まぐるしく変化する10Xの中で、その時々でのより良い開発体制の構築や、イシューの優先順位の付け方をメンバーと一緒に考えること。
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10Xの8人のPdMってそれぞれ何してるの?みんなに聞いてみた | 株式会社10X
2023年5月現在、10Xには8人のプロダクトマネージャーが在籍しています。「え、8人もいるの?」と思われるかもしれませんが、10Xが提供するStailerというネットスーパー・ネットドラッグストアのプラットフォームは、エンドユーザーである「お客様アプリ」だけでなく、商品データの連携システム、決済処理・注文処理の仕組み、店舗や配送スタッフの方が利用するアプリや管理画面…など、ネットスーパーの運営に必要なすべての仕組みを提供しているため、マネージメントするプロダクトも多岐に渡っています。
https://10x.co.jp/blog/10xblog/10x-pdm-teams/
——2つめの組織横断チームについて、もう少し詳しく教えてください。
enami:以前から、全社的に品質面における課題感がありました。局所局所で取り組んでいたからカバーできていたものの、明確な責任者のいない状況がしばらく続いていて。事業規模が大きくなるにつれ、この状況に危機感を抱く人が増えてきたんです。そんな背景から、オーナーシップを持つチームを定めようと組成されたのがこのチームです。
——どんなことに取り組んでいるのでしょうか。
enami:細かい開発プロセスというよりも、会社全体として品質向上のためにどうしたらいいかを考えています。Stailerのコア価値・コア体験を明確化しサービスレベルを定義する、サービスレベルを維持・改善するための仕組みや体制を構築する、開発プロセスやリリースプロセスを改善するといった「品質」という言葉でカバーされるものすべてがチームの守備範囲になります。
チームには、CEOのyamottyさん、CTOのishkawaさん、コーポレートITの佐藤さん、SRE(Site Reliability Engineer)のbabarotさん、全体ミーティングの旗振り役としてコーポレートステラテジーのgucchiさん、そして私とtarappoさんが関わっています。
——組織横断チームには、いろんな部署・職種の人が関わっているのですね。
enami:いろんな職種の人が集まると、よりプロダクト開発を多面的に見れるようになるんですよ。たとえば、私はこれまでの経験上、UX観点や事業影響観点から課題を見つけることは得意です。でも、テスト自体には詳しくないから、具体的なテストプロセスにはなかなか落とし込めない。そこにtarappoさんのようなテストのプロが関わると、解決につながるアクションが見いだせるようになります。
——tarappoさんは全社で取り組む品質管理はどのようにあるべきだと考えていますか?
tarappo:サービスのリリース直前にテストをする組織も多いですが、弊社においては、開発において早い段階から品質管理に取り込むことを目指す姿としています。
その実現に欠かせないのが、誰もがきちんと読みとける仕様書を作ること。実は、私が10Xに入社した頃は、仕様書が整理されていなかったのですが、この1年でenamiさんをはじめとしたPdMやSWEメンバーが整えてくれました。今は仕様書を読めば、ある程度の開発意図は理解できるし、もし分からなくてもチーム内にいるPdMにすぐに相談できます。
QAチームとPdMで「なんでこの機能が必要なんだろう」「このユーザーストーリーは本当に必要なのか」という会話が容易にできるため、早期課題発見のためスタイルが作りやすく、そういった取り組みも進めている状況です。これは、10Xのバリューのひとつである「As One Team」が体現されているから実現できたことだと思います。
取材時のtarappoさん
As One Teamの肝は、トップダウンとボトムアップのバランス
——ここで「As One Team」が出てくるのですね。
tarappo:先程の仕様書の例で言うと、一般的にPdMが作ることが多いんです。つまり、品質向上の実現のためには、PdMの協力が必要不可欠です。ただ、うまく連携できていない組織だと、品質向上のためには必要だと理解していてもなかなか優先度を上げてもらえなかったり、断られたりすることもあります。また、優先度をあげてもらうための社内調整や交渉に時間がかかることもしばしば。その点、「As One Team」を掲げている10Xでは「必要ならやろう」とまとまるのが早い。その結果として、やるべきことにコミットすることができます。
それは今回の組織横断チームに限らず、社内のいたるところで見かける光景です。何か課題があったら、誰かが拾って解決のためのチームを作る。実際に、テストプロセスの部分で課題があったとき、私たちQAチームではなくPdMであるenamiさんが動いてくれたこともありました。
——なぜ10Xでは「As One Team」を実現できていると思いますか。
enami:トップのyamottyさん含めた経営陣が、フォーカスすべきことにフォーカスしきると大胆に意思決定できることも一つの要因だと思います。品質管理においても、yamottyさんが注力すると決めてから一気に進捗しました。バリューを実現するための、トップダウンとボトムアップのバランスが良いんだと思います。
tarappo:10Xでは全社的な課題には経営層もコミットしてきます。今回の組織横断チームにもCTOとCEOが関わっていますしね。10Xの強みのひとつです。
カジュアル面談では、ありのままの10Xを見てほしい
——enamiさんとtarappoさんは、組織横断チームのほか採用でも関わりがあるそうですね。
tarappo:私は品質管理部部長として、QAメンバーの採用をしています。実は、QAの候補者から「PdMと直接話がしたい」とお願いされることが多くて。その際、enamiさんに候補者とのアトラクト面談をお願いしています。
——QAメンバーの採用なのに、どうしてPdMと話がしたいのでしょうか。
tarappo:QAを経験したことのある方はご存知かもしれませんが、QAとPdMの距離が近くない組織もあります。それは、QAがリリース直前のテストの部分だけを担当する、独立したチームになっているところもあるからです。しかし、このチームのあり方では、開発チームとQAチームの間に壁ができてしまう。そうすると、先程お話したような社内調整や交渉に多くの時間を費やす必要がでてきます。そんな背景もあって、QAの転職は「チームの垣根や壁が低い組織で働きたい」という動機が多いんです。
——なるほど。だから、直接PdMと話がしたいと。
tarappo:はい。面談で「10XはAs One Teamを大事にしています」「10Xは他ポジションとのコミュニケーションの壁が低いです」とはお話しますが、直接話していただいた方が実体がよりお伝えでき、モチベーションも上がると思うので。
また、10Xでは選考過程で一部のポジションにおいてはトライアルを行っています。そのときもQAチームのみと一緒に仕事をするのではなく、PdMやエンジニアともやりとりをしていただきます。その方が、より実際の仕事の進め方をイメージしやすいですからね。
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10Xの「トライアル選考」って実際どんな内容?参加者のアンケートから掘り下げる! | 株式会社10X
10Xでは、選考フローの中で、「トライアル選考」というプロセスを設けている職種があります。候補者の方には、NDAを締結いただいた上で、一定の社内情報などにアクセス可能な状態でポジション・候補者の方に応じた各テーマに対するイシューに取り組んでいただきます。 しかし、候補者の方の多くは、働きながらトライアル選考を受けられることも多く、トライアルという取り組み、実際にどのように行われているのか気になるという声も。どのような内容・タイムスケジュールで実施されているのか、 トライアル選考に関わるHR本部メンバーへの1問1答 実際のトライアルに参加したメンバーのアンケート で紐解いてみました!
https://10x.co.jp/blog/10xblog/10x-trial/
——enamiさんは、候補者と話すとき意識されていることはありますか。
enami:候補者の方とお話させていただくときも、トライアルで一緒にお仕事するときも、ありのままの10Xの状況を伝えるようにしています。「壁が低い」という強みはありますが、まだまだ課題もたくさんある。ミスマッチを起こさないためにも、ストレートにお話するよう心がけています。
——良い面だけでなく、課題も伝えることでよりマッチ度の高い方と出会えそうですね。入社予定のチームだけでなく、全社と関わる採用活動について、候補者からはどんな反応があるのでしょう。
tarappo:ポジティブな反応が多いですね!採用段階でPdMやエンジニアとも関わることで、開発環境や働き方のイメージを明確にイメージできるようになる、と。
先月QAチームに入社した人も、トライアル時にenamiさんと一緒に仕事をしてもらっていました。実際の現場を見て、より入社へのモチベーションがあがったそうです。入社後もトライアルで入ったチームと同じチームに所属しているので、ほとんどギャップなく活動できているんじゃないかと思います。
enami:実務においても、採用においても10Xでは「As One Team」を大事にしています。チームでチャレンジしていきたい方、ぜひ一度お話しましょう!
取材時のenamiさん
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執筆・仲 奈々(@nanapan0728)