10XのCEO・プロダクト本部長が語る、Stailerの現在地と未来

2023/12/18

「Stailer(ステイラー)」を通じて、日本全国のパートナー企業とタッグを組み、ネットスーパーやネットドラッグストアの立ち上げを支援している10X。
今回は、Stailer事業の現在地や、プロダクトからみたときの機会の面白さについて、代表の矢本とプロダクト本部長の江波(@enaminnn)が本音で語り合いました。

10Xの事業・プロダクトやPdMの仕事に興味がある方は必見です!

本記事は、2023年11月19日に公開した、Zero Topic(ゼロトピ)「#285 10Xにおけるプロダクトマネジメントの機会」のエピソードを記事化したものとなります。ぜひPodcastも併せてお聞きください。

矢本 真丈

株式会社10X Founder, 代表取締役CEO

丸紅株式会社、NPOを経て株式会社スマービーの創業から売却を経験。株式会社メルカリ子会社にて新規事業のプロダクトマネージャーを経て、10Xを創業。

江波 拓郎

Product Manager

北海道出身。サントリーでの営業経験後、創業直後のITスタートアップに転職しPdMとしてのキャリアをスタート。医療系ベンチャーでのPdM兼事業責任者、教育系スタートアップでの新規事業プロダクトオーナーを経て、2022年7月より10XにPdMとしてジョイン。2023年10月よりプロダクト本部長に就任。

CEO・プロダクト本部長が考える「Stailer」の特長と強みとは?


——Stailerの事業・プロダクトの特長、強みをあらためて教えていただけますか。

江波: 「Stailer」はチェーンストアECに特化したEC/DXプラットフォームです。

もう少し噛み砕いてお伝えすると、皆さんが普段お買い物されるスーパーとかドラッグストア、そして新しくネットスーパーとかネットドラッグストアの立ち上げや運営、グロースに必要な機能やサポートを、まるっと提供している事業です。

例えば、お客様がお買い物で使う「お客様アプリ」や店舗・配達スタッフの方が使う「スタッフアプリ」「管理画面」などさまざまな機能を包括しています。いわゆる「ホールプロダクト」と呼ばれる性質のものですね。このようにアプリ・管理画面の機能開発、活用支援をしていますが、10Xが提供する価値はそれだけにとどまらないと思っています。
例えば新規出店・エリア拡大のベースとなる商圏分析や、オンライン・オフライン含めた販促支援、オペレーションやレイアウトの設計、最近だと機会損失を解消するための支援など、文字通り小売業に必要なことを“まるっと”提供しているのが、Stailerの事業・プロダクトだと考えています。

矢本:私たち10Xの最大の強みと言えるのが、「データ」なんですよね。Stailerで行っているのは、実際のお客様のお買い物データを収集して、そもそも店舗だとどんな機会損失が生まれているのか分析し、課題解消のためにあらゆるオペレーションをDXしていく、ということ。

こうした事業・プロダクトは、ネットスーパーをはじめとしたオンライングローサリーにおいて前例がなく、画期的だと思っています。単なる一プロダクトの範囲にとどまらない価値が生み出せているのではないかなと。

江波:私も実際に店舗に足を運んで、現場スタッフの皆さんの業務を体験させてもらうこともあるんですね。
例えば先日は配送トラックに乗って配達を一緒にさせてもらったんですが、スタッフの方が「昔はすべてのオペレーションを紙でやっていたから、アプリになって配達しやすい」「いろんなデータが可視化されているのが素晴らしい」と力説されていて。
現場の生の声から、プロダクトが提供できる価値やインパクトを実感した瞬間でした。

矢本:僕も普段、週2〜3回はネットスーパーを利用しているんですが、いつも配達員の方と「今日は何件くらい注文が入って、配送するまでどのくらい大変か」って話をしていて。こうして常に現場の方とコミュニケーションをとって、“肌感覚”を忘れないようにしています。

江波:“肌感覚”という話でいうと、私たち10Xらしい価値を発揮できたなと感じたエピソードがありまして。
Stailerではピッキング業務に掛かる時間を計測することで、生産性を示すデータを集計しているんです。ピッキングに時間が掛かる注文を分析すると、特定の商品が見つけづらいとか、価格表示が異なっていて確認が必要だったとか、何かしら生産性を下げてしまっている要因があったと分かりました。

漠然と「時間が掛かった」で終わらせるのではなく、こうして解消すべき課題が可視化されれば、その後とるべきアクションも変わってきますよね。

データ分析と、僕たちが実際に現場で業務を体験して得た“肌感覚”。この2つの掛け合わせで、さらに提供できる価値は大きくなるんじゃないかと思っています。

矢本:データのボリュームも大きいですが、その利用の仕方にもまだ可能性がたくさんある。これから切り拓いていける面白さ、というのは確実にありますね。

——反対に、Stailerの事業・プロダクトの難しさはどのようなところにあると思いますか?
江波:僕としては2つあると思っています。

一つは「非常に高い機能・品質が求められる」点です。先ほどもお伝えしたように、Stailerは“単なるプロダクト”というよりも、プロダクトを通じてパートナー企業の事業・サービスそのものを支援しています。だからこそ、Stailerの品質がパートナー事業の品質を決めてしまうとも言える。非常に高度な要望・期待に応える必要があるというのは、面白さでもあり難しさでもあるかなと。
もう一つは、「求められる機能が多様化してきた」点ですね。10Xの創業当初は限られたパートナーとマンツーマンで伴走できていましたが、事業成長と共にパートナー数も増え、事業規模やフェーズが多様になってきました。例えば、ネットスーパー事業を長く営んでいてStailerに切り替えていただいた企業様もいれば、一からネットスーパーを始める企業様もいます。

こうしたフェーズの変化において、何らかのエラーが発生した時に人力で解決するのは正直限界が来ています。本来ならパートナー企業の皆さんが自律自走できる、もっと言えばそもそもエラーが発生しない状態を作らなければいけません。もともとStailerは伴走型の事業を想定したプロダクトなので、そのギャップを埋めようとしているところですね。

Stailerをつくる10Xの新生「プロダクト本部」って?

——2023年10月から新たな「プロダクト本部」が組成されたと伺いました。10Xのプロダクト組織について詳しく教えてください。
江波:前提として「組織は事業に準ずる」という価値観に基づいて、10Xの組織づくりは行われており、事業成長・成功のために最適な組織になるよう、絶えずアップデートを繰り返しています。
直近だと2022年10月から「マトリクス組織」に移行し、事業単位から機能・ドメイン別のチームになりました。プロダクトで言えば、これまでPdMが全ての事業領域を見ていたところから、機能別の各チームを深く見る体制にシフトしたのが最近の大きなアップデートかなと。

さらに2023年10月には、従来の「プロダクトマネジメント部」と「デザイン部」のほかに「データプロダクト部」も加わり、新しい「プロダクト本部」が始動したところです。

矢本:このアップデートの背景を少し補足しますね。2〜3社のパートナーに伴走していた創業当初は、全ての領域をPdMが見ている体制も正しかったと思います。なぜなら、目の前のパートナー企業の課題に向き合うことが求められるフェーズでは、プロダクトのあり方を決めるPdMがその最前線に立つことが、最もレバレッジが効くからです。一方で、10数社を超えるパートナーがいる現在、この組織形態だとさまざまな問題が出てきてしまうんですね。事業・プロダクトがここまで成長できた今だからこそ、組織の在り方についても本腰を入れて考えられるフェーズになったと。

ここからようやく“プラットフォームらしく”多くのパートナー企業を受け入れる準備ができるフェーズに移ってきたと思います。

江波:先ほども言ったように、Stailerは単なるプロダクトというより、パートナー企業の事業そのものだという性質を踏まえると、「事業とプロダクトの接続」は非常に重要だと思います。

その観点で、経営と開発チームの密な連携も必要だと思っており、これまではミドルマネジメント層を経由していましたが、最近は経営と開発チーム間で直接コミュニケーションをとる機会を増やしているところです。今の体制に変わってまだ一ヶ月ほどですが、この点においては目下チャレンジ中という感じですね。

10X・Stailerの現在地と未来をどう見ている?

——2022年7月に10Xへジョインした江波さんから、10XやStailerの現在地はどのように見えていますか?
江波:個人的には、10Xへジョインした時と今とでは、見える景色や世界が大きく異なってきたなという印象です。というのも、この一年で事業や組織が成長するとともに、多くの難局に向き合ってきたからだと思っています。

契約企業数やローンチしたプロジェクトの増加のような分かりやすい変化だけでなく、パートナー企業の黒字化・グロースに取り組んだり、海外・地方など都市部以外での事業展開を検討したり、本当にさまざまな挑戦の機会に晒されてきました。そして今、私たち10Xが、中長期的に目指すべき姿——すなわち“ピン”が明確に立ってきたと感じています。

この“ピン”というのは決して絵空事ではなく、実際に取り組んだ成果という確かな根拠を持って定められている。難しくも面白い、チャレンジングな局面に来ているなと感じていますね。

矢本:今、江波さんが話してくれたように、挑戦の機会から「可能性を探索する」のが10Xらしさだと感じます。Stailer自体が前身となるプロダクトでの小売業者さんとの関係のもと成り立っていて、リリース後も市場やパートナー企業からの要望や期待に応える形で事業・プロダクトを非連続的に成長させてきました。

なので、この数年で事業としての成長の機会に晒されて、そのたびにメンバー全員でもがきながら、次の方向性を議論している。今はここ数年で私たちが掴みうる一番大きい機会にアプローチしうるタイミングなのかなという感覚があります。

——「理想の未来から考えよう」「探索的な一歩を重ねよう」という10Xのバリュー(「Think 10x」)が、すなわち10Xで働く面白みでもあると。
江波:私自身も「探索的な一歩」を踏みながら、確かなものを積み上げていく10Xらしい姿勢を実感していますね。
先ほど明確に“ピン”が立っている、と話しましたが、その“ピン”が正しいか、今取り組んでいる方向性で成功するのか、なんて正直誰にも分からない。それくらい前例がなく難しいチャレンジをしているからです。

それでも、今集めうる材料で最善に近い方向性を目指して進んでいるとみんなが信じられている。それは、矢本さんはじめ経営陣が曇りなく説明してくれているからだと思うんです。今後もこうした変化はポジティブに捉えていきたいですね。

矢本:とても頼もしいです(笑)。

常に“探索”を重ねているからこそ、検証サイクルの回し方や方向転換の振れ幅も大きくなりやすいと思うんですね。経営としてはすごく悩ましい意思決定でもあるんですが、PdMをはじめとしてミドルマネジメント層が機能してくれているからこそ、スムーズに事業を進められている面もありますね。

10Xのプロダクトマネージャーの面白さとやりがい

——江波さんから見て、10XのPdMの面白さややりがいはどんなところにありますか?
江波:あくまで私の視点、経験からのお話になりますが、大きく3つほど挙げられます。

一つ目は、非常に高い品質を求められるプレッシャーの中で、複数の事業領域について深く理解し考えながらプロダクトづくりを行える点ですね。繰り返しになりますが、Stailerが担う事業領域は非常に多岐にわたりますし、パートナーの事業運営そのものを提供しています。良い意味でのプレッシャーも感じつつ、10Xだからこそ磨かれるスキルは多いと感じます。

二つ目は、社内外のいろいろなステークホルダーと関わりながらプロダクトづくりができる点かなと。社内だとデザイナーやエンジニア、QA担当だけでなく、事業開発やオペレーションチームなどとも連携し、時に牽制も掛けながら、適切なバランスを見ながら良いプロダクトづくりを行っていく必要があります。

最後は、プロダクト開発にとどまらず、組織・チームづくりにチャレンジできる点ですね。10Xは今、マトリクス組織への移行、プロダクト本部の再編など、組織づくりにおいても大きな潮目の中にいます。

チーム間の連携や運用が本当に適切なのか、チームとはどうあるべきなのか。事業のスケールと共に組織の在り方についても“探索”できるチャレンジングな機会が待っていると思います。

矢本:一般的なPdMと比べると、会社の方針や事業状況をプロダクトに反映させるというさらに一歩手前のプロセスから担ってもらっている感じですよね。

江波:そうかもしれません。私自身はいわゆる「ミドルマネジメント」の立場でもあるので、経営陣から発信されたメッセージを正しく理解し、ひとりのプレーヤーとして自ら実行する場面と、咀嚼してメンバーに伝達する場面、その両方が求められる。大きな成長の機会をもらっているなと思いますね。

——先ほど「さまざまなステークホルダーと関わる」とおっしゃっていましたが、開発メンバーの他にどのような方々と関わる機会があるのでしょうか?
江波:プロダクト本部長に就任する前は、店舗スタッフの皆さんがお客様の注文を受けてから商品をピッキングして梱包、出荷するまでの「お届け領域」と呼ばれる工程を担当していました。その経験で言うと、パートナー企業の現場責任者や店舗で働くスタッフの皆さんとコミュニケーションを取る機会は非常に多く持っていましたね。

実際に現場に赴かなければ、そもそもパートナーがどんな課題を抱えているのか、また私たちの事業・プロダクトがその課題を解決できているか分かりませんから。

また、機能を作って終わりではなく、リリース後にどうパートナーさんに届けるかも大切な役割です。そのため、広報のメンバーと内容やタイミングについて意見交換することもあります。

矢本:社内外含めて本当に多岐にわたるステークホルダーと関わり、働きかけながら一緒に良いプロダクトを作っていく。それは10XのPdMならではの醍醐味と言えるかもしれないですね。

江波:これまでお話しした内容に加えると、「今このタイミング」というのも個人的にはすごく面白いんじゃないかなと思っていて。

さまざまな挑戦の機会に晒されて、「探索的な一歩」を積み重ねた今、これからどうやって掲げた“ピン”に向かっていくのか。その過程を体験できるのは、なかなかないチャンスなんじゃないかなと思いますね。

矢本:すでに莫大な顧客資産がある企業だと、プロダクトをリリースすれば何百万人というユーザーが利用してくれる面白さがありますよね。

10Xでは多くのお客様を支えられるインフラとしての側面もありつつ、日本でおそらく唯一無二の「ネットスーパー・小売業界のDXを実現するプラットフォーム」や組織づくりのプロセスを経験できるというのは、僕から見ても魅力的な要素なんじゃないかなと思います。

江波:そうですね。特殊な事業領域、プロダクトゆえに、「そのまま真似ればうまくいく」ような参考事例が世の中にない。だからこそ、自分たちで一から“探索”していく難しさとやりがいがStailerにはあると感じます。

こういった領域、機会に興味を持っていただいた方は、ぜひ一度お話しさせていただけたらと思います。

執筆・安心院 彩(@Ayaaa_ajm


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