職能ごとのチームから、ミッションフォーカスのチームへ。チーム力向上のための組織体制とは

2022/3/11


本記事は、2021年12月27日に公開した、CEO矢本(@yamotty3)のPodcast「Zero Topic」のエピソードを記事化したものとなります。こちらのエピソードでは、10Xの2021年の振り返り、そして組織体制の変更について10X CTOの石川(@_ishkawa)と、CCO中澤(@r1ccha)を迎えて話しております。

Podcast、またCEO 矢本のブログポストも併せてご覧ください。

関連ポスト:

■Podcst
#201 CTOが4月から気絶していた10Xの2021年を振り返る (with @_ishkawa, @r1ccha) - Zero Topic - ゼロトピック -


■CEO 矢本のブログ(10Xの2021年の振り返りと、組織体制の変更内容について)


CEOとCTOが振り返る1年

矢本:20年11月頃から会社を取り巻く状況が大きく変わり、忙し過ぎてあまり記憶がないような状況。19年の12月頃には、イトーヨーカドーとフレスタのアプリをリリースしていました。もともとStailerはすでにあるネットスーパーのシステムをオーバーラップする形で使えるような仕組みだったのですが、今年1年で、「ネットスーパーをやるにあたって必要なホールプロダクトの提供」を開始しました。これは大きな進化ですね

中澤:現在公開しているパートナー数は5社ですが、未公開のものも含めると、成長しているのでしょうか?

矢本:以前は自社でネットスーパーをやっている会社だけが対象でしたが、薬王堂のリリース以降はオペレーションシステムもまるっと提供しています。そのため、ネットスーパー事業をやったことない小売企業様も対象になりました。結果、10倍どころか30倍の問い合わせがあり、そのいくつかはディールとしてもまとまって、プロジェクトが進行しています。リリースを控えているお客様は多数ですね。

中澤:なるほど〜。社員からみても、矢本さんの出張回数は確実に10xしてますよね!

矢本:してますね!

中澤:ではCTOの石川さんから見て、開発側はどんな1年でしたか?

石川:矢本さんが話されていたようなところで、開発は規模が大きくなり、4月以降忙しくて記憶がないような状態です…。充実した1年でした。

中澤:1年の3分の2ですね…。言える範囲で、プロダクトとしてできるようになったこと・開発チームの変化などはありますか?

石川:提供しているプロダクトとしては、あらゆる可能性を変えられるようになりました。在庫管理の方法や、配送の方法、配送枠の検証…など。これまでは、お客様のシステムをオーバーラップする形だったため、プロダクトとして引けるレバーが限られていたのですが、できることは格段に増えました。現状は、レバーを引く準備ができた状態でしょうか。お客様の体験が変わるところも多くあるので、早くリリースしたいです。

中澤:システムとしては複雑性が上がっていそうですね、

石川:お客様が触れるところだけではなく、基幹システムやスタッフアプリも開発するようになったので、複雑性も規模感も上がっていますね。先日のオープンオフィスにて、「システムの規模はどれくらい大きくなったのか」という質問があり、4−5倍くらいかな…と答えました。

矢本:ネットスーパーを利用するお客様からすると、月に4回・1回に2−30分の利用だとすると、だいたいアプリの利用時間は2時間以下ですよね。今のStailerはスタッフ側のネットスーパー業務そのものを提供しているため、専任スタッフ4-5名が1日8時間使っていると思うと、トラフィックは4−5倍になっていそうですね。

石川:そうですね。

権限移譲をすすめ、組織づくりに注力


中澤:お二人の役割の変化などはありましたか?

矢本:1年前は特にBizDev採用に力を入れており、BizDevブランディングをしていました。10Xの組織規模としては、18名からスタートし、内定ベースで54人、実際に入社したメンバーも40人を超えました。20名以下の規模の時は、1人1人のパフォーマンス向上や、自由なフィールド作りを心がけていましたが、今は、”動く組織を記述すること”に集中するようになりました。採用面談や、パートナーとのトップ面談も増えたので、残りの時間で組織作りをしています。

中澤:権限移譲もすすめているんでしょうか?

矢本:10X内に色々なチームができて、仕事を渡すようになりました。ただ渡すだけではなく、マネジメントを定義して、チームのミッションを書いて、イシューも作って。まず1回目は自分でやり、型を作ってからマネージャーに渡すようにしています。今はBizDev組織も大きくなり、すべては自分では見ておらず、Growth &  Successも松田さん(@mattsun10919298)に移譲。Retail Strategy & Operationsも栃内さん(@mani_0417)に移譲しています。

中澤:石川さんの変化はいかがでしょうか?

石川:1年前はPMもデザイナーもいない状態でした。半年内にPMもデザイナーもJoinしてくれ、色々なイシューをその道のプロに任せられるようになったのは大きな変化です。4〜6月は開発が大変で、様々なプロダクトの機能を拡充させるべく、自分でも開発していた位、本当に開発に重点を置いていました。

その後、矢本さんからも組織の機能の変化についてもっと関わったほうがいいのではと提案があり、開発の最前線に自分が積極的に携わる状態からは離れるようになりました。自分がこの状態だと、今後の組織の変化とアラインしなくなるだろうなと、

BizやRetailが成果を出せるようになるためには、プロダクトチームも大きくなる必要があります。彼らに活躍してもらうために、開発チームをどう変化させていくか、考えていかねばならない。

中澤:途中「石川さんを暇にさせる!」というミッションが経営陣の中で生まれたこともありましたよね。さて1年の振り返りはこんなところで、10Xの組織体制の変更について、聞いていきたいと思います。

これまでの10Xの組織構造


矢本:前提として、これまでの10Xは職能ごとの部門管理になっていました。プロダクトチームの中にエンジニアやデザイナー、CSのメンバーがいて、ビジネス組織の中にBizDevメンバーがいて…一つの職能に対しては一つのJD(ジョブディスクリプション=募集要項)が設けられており、同じものさしの中でグレードが分かれているような状態でした。

これまでの10Xの組織構造


そして、企業として「個別にこの課題を解決したい」となった際は、毎回プロジェクトを組成し、それぞれの職能部門から人がアサインされる、という形式を採っていました。
しかし、2021年の夏〜秋ごろからでしょうか、現在のStailerの事業構造と、組織としての構造が噛み合わず、うまくワークしない部分が出てきました。

また、他の課題として、10X内のプロジェクトは短期だと3ヶ月程度のものから、1年半〜2年スパンで取り組むものまで、タイムスパンが様々あり、長期的なプロジェクトに対してはしっかりリソースが割けていない状況もありました。その他、PJだと1回集まった後、目的が達成されるとメンバーが解散してしまい、会社の中に資産がたまらない。今後さらに人を採用しても、生産性が上がらない組織になってしまうのでは?という危機感もあり、そうならないための体制変更を検討しはじめました。

5つのミッションドリブンチームへ


中澤:どのようなチーム構成に変更したんでしょうか?

矢本:10Xが会社として注力したい領域・ミッションごとに5チームを設定、職能を横断して色々な職種の人がアサインされるような形に変更しました。横串がミッション・縦串が事業部。縦横のマトリクス組織になりました。

これからの新しい組織構造のイメージ


中澤:5つのミッションはどんな感じで分かれているんでしょうか?

矢本

  1. ビジネスチーム:小売事業者の対面としてパートナーリレーション、契約クロージングから新ビジネスやR&Dまで含め、事業開発をやっていくチーム
  2. プラットフォームディベロップメントチーム:プロダクト開発基盤を作るチーム。リファクタしていき、生産性の高い開発基盤を作ります
  3. パートナーローンチチーム:パートナーのサービス開発を進め、実際のサービスをローンチしきるチーム
  4. サービスディベロップメントチーム:サービスローンチ後、運用したり、改善したり、機能開発したり…。実サービスをどう改善し、GMVをどう伸ばすか考えるチーム
  5. グロースチーム:サービスグロースのためのデータ分析・利活用を進めるチーム


現在はこのようなチームになっています。

石川:いままでは「エンジニア」「PM」などの職能ごとに分かれていたところから、「プラットフォームディベロップメントのエンジニア」「パートナーローンチのPM」など、各ミッションチームに所属するエンジニア・PMになっていく形ですね。

中澤:プロダクト組織は10Xにとって人数的にも一番大きい組織ですが、この組織変更を受け、今後どう変わっていくのでしょうか?

石川:プロダクト、その中でも現在15名ほどのエンジニアにフォーカスして話すと、今までは一つのチームでした。アサイン先のプロジェクトも数多くあり、その他会社として取り組みたいことも多数ある中で、兼務も発生していました。しかし、兼務しているプロジェクト間の調整は個人の裁量となっており、そうなると短期的にニーズが高まっている課題にリソースが集中しがち、という状況が発生していました。長期の課題も同時にあるため、関心の分離のため、チームを分割したいと常々感じていました。

その他、「長期的な開発の足元固めをする」「目の前のサービス運営上の問題にも対処する」「今後のパートナーのためのローンチのための開発もする」と3つのタイムスパンが混在している状態だったことを解消する目的でもあります。
今後、エンジニアの動き方の変化については、これまで行われていた、複数PJへのアサインが基本的に無くなります。各エンジニアが持たねばならないミッションが一人ひとつになり、より集中して取り組んでもらえる状態にしていきます。

中澤:たしかにこれまで各メンバーが担っていたタイムスパンは非常に広かったんですね。

石川:そうなんですよね。ある月に障害がたくさん発生し、対処していたら、3ヶ月先の他のパートナーリリースに間に合わない…といった状況が起こる状態はよくありません。そのため、関心を分離する必要がありました。

10Xが求める人材は変化したか?


中澤:今回の組織変更を経て、今後10Xに入社いただきたい人の採用要件は変わっていくんでしょうか?

矢本:チームが分かれたことの大きな意義として、各チームの関心・やることを明確に分割できるようになったことが挙げられます。そのため、最終的には募集要項が変わっていくと考えています。

例えば、これまではBizDevで求めていた人材要件はPM経験があって、大企業で事業開発経験もあって…と、かなりハードルが高いものになっていたかもしれません。また、実際入社したあとの機会としても、フィールドが広すぎて、突然一人でぽんとその場に置かれるとプレッシャーを感じてしまうこともあったかと思います。新しい体制では関心・ミッションが分割され、発揮できる得意な領域が分かれていく、またマネージャーも置いてよりチームで自走できるようにしていくイメージです。

なんでもできる人、を求めるのではなく「パートナー企業と向き合うのが得意」「プロジェクトマネジメントが得意」「この方向にキャリアを伸ばしていきたい」などの方も迎え入れやすくなるかと思っています。

中澤:石川さん率いるプロダクトチームだとどうですか?

石川:矢本さんが言ったことは共通しています。エンジニアに特化して言うと、これまでエンジニアは15人全員が大きい池に放たれていたような感じでした。一人一人、プロジェクトの推進力・問題発見力・課題解決力があり、技術の幅もあり、ゴールに持っていくための対処はかなり個人の能力に頼っていました。

今後はチームごとのミッションがしっかり分かれ、腰を据えて物事に取り組める機会も増える。従来の「いろんな生物がいる池でも強く生きていきなさい」という環境から、一定のエンジニアリング能力が持てていれば成果を出せるように、会社として組織として整備を進めていっています。その結果、強さや多様性への適応能力といった要件のプライオリティは下げられるかも、と考えています。

10Xは会社として、プラットフォームを提供しているので、信頼性が高く求められているフェーズでもあります。そういったところに集中して取り組みたいですね。SREやテストエンジニアなどそういった領域に尖った人を受け入れられる状態になってきているので、ぜひ来てもらいたいです。

中澤:強い個々でどうにかしよう!という状態から、チームとしての機能的な動きに移行している感じなんですね。

石川:今のまとめを聞いて感じたのが、今までってマネジメントをあえてしないというか、最初からマネジメントにフォーカスするよりも、個人の力量を信頼しているようなフェーズだったのかもしれません。チームとして、個人の力量に頼らなくても成果を出していけるような仕組み、人にも依存しないよう出来るようにしていきたいですね。

中澤:そうですね。組織の拡大に応じて、チームの体制や求める人材も、まさに進化しています。より間口を広く、いろんな方に活躍いただきやすいフェーズになってきたのかと思います!

石川:そうですね!少しでも面白そうと思った方は、ぜひ一度お話しましょう!

矢本:僕からもぜひお話したいです。お待ちしています!

全編はぜひ下記のPodcastで!
「#201 CTOが4月から気絶していた10Xの2021年を振り返る (with @_ishkawa, @r1ccha) - Zero Topic - ゼロトピック -」


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