オンラインでも一人目職種のオンボーディングを成功させる知見を紹介します
こんにちは、9月に10Xに入社したグロース本部の吉田です。
NTTでは機械学習の研究者、株式会社はてなではWebアプリケーションエンジニア、株式会社モノタロウではデータエンジニアなどデータに関わる幅広い仕事に携わる。2022年9月に10Xに入社し、データマネジメントの業務を中心に担当。データエンジニアリングやデータ活用に関するコミュニティdatatech-jpの運営も行なっている。
オンラインでの一人目職種のオンボーディングは難しい
10Xでは手厚いオンボーディングのプログラムがあり私も非常に助かりました。一方で、一人目の職種(データマネジメントの専門職)として入社したこともあり、他職種の方と関係をいかに強化していくといいか?という課題感を持っていました。この課題感は「データのことを全般的に責任を持つ自分の仕事は、一人ではなくAs One Teamとして取り組まなければ価値が発揮できない / されない」側面が大きいことも関係しています。実際、データに関連する職種は以下のように幅が広いものになっています。
- 分析を専門とするアナリスト
- データを元にパートナーと会話するBizDev
- 分析の元データを担当することになる開発チーム
- セキュリティや個人情報などの扱いを相談するリーガルやコーポレートIT
この課題感はデータに関連する職種に限らず、最近入社した他の職種の方(例: HRBP)も持っており、この課題に対する解決案を考えることは自分以外にとっても有用なのではないか、と感じました。
また、私は10X Workstyleを利用して京都から働いていますが、他職種の方と関係を強化していくという観点では、上記の課題をさらに難しくする側面はあり、リモートで働いていてもうまくやっていく方法を探っていきたいというモチベーションも強くありました。
四半期に一度のグロース本部のオフサイトイベントの様子。普段は京都からリモートで働いているので、その状況での一人目職種としてやっていける知見を今回のエントリでは紹介します。
社内一人目職種相談会の開催
自分で色々方法を試していく手もありますが、すでにオンラインの環境下で一人目職種として入社し活躍されている方が10Xにはたくさんいます。そのため、その方々に相談して知見を教えてもらおうという会(このエントリの中では「社内一人目職種相談会」と呼びます)を開催しました。企画当初は「声をかけた内の3~4人くらいからOKの返事があると嬉しいなぁ...」と思っていましたが、全員からOKがあり、しかも「実は私もXXX職の一人目なので、是非話しましょう!」と様々な方から声をもらいました。OKをもらったり、声をかけてもらった方の職種はCustomer Support / Data Manager / Software Engineer in Test / Business Development / Corporate Strategy / Corporate Operations Manager / HR (Talent Acquisition) / HR(HRBP) / Product Manager / Corporate Engineer / Legal / Retail Strategy Manager / CCOなど非常に多岐の職種に渡り、合計14名からヒアリングをすることができました。幅広い職種で使えそうな知見を色々教えてもらったので、このエントリで社外にも共有したいと思います。
「ヒアリングさせてください!」と依頼したところ、社内から様々なリアクションがあってテンションが上がっている私。
一人目職種として他職種の方とどう関係を強化していくか
まず知ってもらうことから始めましょう
仕事の話をしようにもお互い「知らない人」だとうまくコミュニケーションを取れないことが多いので、1on1で人となりをまず知る / 知ってもらうことが大事です。共通点がないと1on1は盛り上がらないこともあるので、相手の自己紹介ページを事前に見て、共通点を探っておくとよいです。10Xでは入社初日のオンボーディングで自分の自己紹介をNotionに書くようになっており、幼少時代のことから前職のことまで津々浦々にみんな書かれていることが多いので、何かしらの共通点や気になるポイントがあるかと思います。
職種が大分異なる場合は「何を話そう…」となる場合もあるかと思いますが、おすすめトピックがあるので、それを参考にするのもよいでしょう。10X社内で書かれていたオススメトピックをいくつか紹介しておきます。私もこのトピックを大いに参考にさせてもらいました。
既存社員側の自己紹介:
- 今どんな仕事をしているか
- Notionのページの自己紹介
- 10Xで働くのに知っておくと便利なこと
- 各メンバーの人となり
入社者から既存社員に質問:
- XXXというポジションに期待すること
- いま困っていること・課題
- 10Xバリューってどう解釈してますか
- 新たにどんな人がほしいか、入ったらどんなことを任せていきたいか
- 10Xで働くことの魅力
インプットする情報量を意図的に増やす
入社直後は「何を知らないかすら知らない」ということが多いので、意図的にインプットする情報量を増やすことをオススメされました。
分かりやすいところでいうと、「ちょっと多すぎるかも…」と思うくらいに最初はSlackのチャンネルに入るというのがあります。思わぬところで「この人とこの人はこういう文脈で関係されていたのか」などが分かります。こうした人と人とのやり取りはオフィスだと物理的に観測できますが、オンラインだと自分から観測しに行かないと分からないため、最初は多めにチャンネルにjoinしておくと情報量を増やすことができます。
また、情報量を増やすという観点でいうと、社外向けに出している10x.fmも社内の色んな職種の方を知るのに有用と複数の方からオススメされました。podcastは音声で情報が入ってくるため、テキストコミュニケーション以上の情報量がありますし「初めまして!」の場面でもpodcastで声や話し方を聞いたことがあると、何となく知った気になれるため、コミュニケーションの障壁が下がります。私も入社前に10x.fmはほぼ全て聞いていたため「この人はあのエピーソードで話を聞いたことがある方だ!」と親近感を持ってコミュニケーションを取ることができました。
#all_askanythingを活用しまくりましょう
入社して最初に出会うのは「誰に聞いたらいいか分からない問題」が大きいかと思います。一人目職種だとなおさらです。メンターやオンボーディング用のSlackチャンネルでも質問できますが「この詳細は別の人に聞かないと分からないのでは…」ということもあると思います。10Xでは#all_askanythingという文字通り何でも質問できるチャンネルがあり、そこを活用しています。チャンネル内でさっと回答がもらえることもありますし、適切な別のチャンネルにforwardしてもらえることも多いです。
SlackやNotionでさっとメンション、Google Meetでさっと会話
様々な職種の人がいるとどういう手段(プロトコロル)でコミュニケーションを取るのがよいか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。ちなみに私がこれまで所属していた会社では、開発系の方とBiz系の方はコミュニケーションのプロトコルを変えたほうが連絡 / 返信の付きやすさが違うということがよくありました。
10Xの場合、職種によってコミュニケーションの手段を特に変える必要はありません。SlackやNotionでさっとメンションしたり、Google Meetでさっと会話しましょう。特に入社直後は、コミュニケーションの密度を高めるため、テキストだけでなく「対面 or 口頭(オンラインMTG、ビデオコール)」のコミュニケーションを極力増やすことが推奨されています。
他職種の仕事の解像度を高めよう
他職種の仕事の解像度が高まってくると、自分の職種とのうまい関わり方が見えてきます。Notionのページをひたすら読むだけでもよいですが、それでは分からないこともあります。ヒアリングさせてもらった皆さんは以下のようなことを試して解像度を上げていたようです。
- デモや開発の様子を画面共有しながら見せてもらう
- 特にBizDevの方は「そもそもエンジニアと何を話していいか分からない」ということも多いかと思いますが、画面を見せてもらいながらだと確かに色々想像がしやすくなるとのことでした
- 現場に行ってみる
- 定期的に現地のスーパーに行ける機会があります
- 具体例: データ人材が初めてネットスーパーの現場に行ってみた話
- 関連ミーティングの参加者に雑に入れてもらう
- 特に振り返り会やwin-sessionがオススメされていました
- 人となりやどういう文化なのかなど得られる情報量が多いため
自分の職種内容や目指したい世界を言語化しよう
初めての職種として入社された場合、周りから「この人は何をやってくれる人なんだろう」と思われる不安感があると思いますし、周りの方も大なり小なり実際そう思われることはあると思います。そういった状況を解決するためにも、自分の職種内容や目指したい世界を言語化しましょう。10X社内でヒアリングをした中で私が感じた肌感としては、入社3〜6ヶ月を目処に社内で発信できていると、いいスタートが切れてそうな印象を持ちました。
これまで一人目職種として入ってこられた方が、自分の職種の言語化をされてこられた例をいくつか紹介しておきます。
- 10Xで新しい組織を立ち上げたお話し|yoshihiko_tochinai|note
- 1人目のSETが話す10XのQAの今と今後
- 10Xにおける目指すQAの姿とそうしたいワケ
- 株式会社10Xに一人目のHRBPとして入社しました|Takuya Manabe|note
社内に広く伝える方法としては、Good Morning Talk(様々な話題で広く話せるトーク会)やAs One MTG(全社での情報共有)などの場をうまく活用して、自ら発表の挙手をしていくことを勧められました。早速私も来月のGood Morning Talkでの発表に挙手したところです。最初から全てがclearになっている必要はなく、説明の準備をしながらclearになっていく部分もあるので、射撃しつつ前進の精神でやっていきましょう。
資料の準備はまだできていないものの、前のめりにGood Morning Talkでの発表に挙手する著者
他職種への期待を明示的に伝える
「自分の職種内容や目指したい世界を言語化したから、他職種の人もいい感じに動いてくれるだろう」と期待しすぎるのはよくありません。期待したいことや、やって欲しいことがあれば、明確に依頼しましょう。単純にやって欲しいことを伝えると、なぜそれをやる必要があるかの情報が抜け落ちてしまうので、Whyからissueベースで伝えるなどを特に意識しながら伝えていきましょう。なぜその課題を解決したいのかをうまく共有できると、異なる職種やオンラインの状況であってもAs One Teamで動くことができます。
焦る必要はない
全社のオンボーディングで少なくとも最初の一ヶ月は焦る必要はないと明示されており、メンター含め様々な方からもこれは繰り返し言われます。特に一人目職種の場合は先人がいないわけなので、じっくり取り組んでいきましょう。
謝辞&まとめ
合計14名の様々な職種の方からヒアリングさせてもらった「オンラインでも一人目職種のオンボーディングを成功させる知見」を紹介しました。社内からたくさんの🙋の反応があったり、直接はお声がけしていなかった方からも「自分も話したい!」と言ってもらえたのはすごく嬉しかったです。約80名のメンバーの中で一人目職種の方が今回話せただけでもこれだけいて、自分も一人目職種で今後悩むことが少なからずあるとは思いますが、相談できる方が各方面にできたのは、今後10Xで働いていく上でもすごく安心できるポイントだなぁと感謝しています。
このように一人目職種であっても、オンラインの環境下であっても10Xは働きやすい環境だと思います。そんな10Xでは、一緒に働く方を募集しています!
10について、さらに詳しく知りたい方は下記の資料をご覧ください。