10Xの戦略コンサル出身者に聞く スタートアップでのキャリアの選び方・スキルの活かし方

2022/5/23

10Xでは、Business Development・Corporate Strategyなど、様々なポジションでコンサルティングファーム出身者が活躍しています。本記事では、川崎(@ma323kwsk)・上村(@_nauya)・栃内(@mani_0417)の3名のコンサル出身者が集い、キャリア形成・スタートアップでのスキルの活かし方・キャッチアップなどについて、座談会形式で話してもらいました。

座談会参加者


川崎 雅史 @ma323kwsk | Business Development
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて製造業、交通事業者を中心に戦略策定やオペレーション改善に従事。世界経済フォーラム第四次産業革命センター・モビリティフェローとしても活動。

上村 直也 @_nauya | Corporate Strategy
欧州系戦略コンサルのL.E.K.にてM&A戦略策定に従事した後、丸亀製麺を運営するトリドールにて米国事業を統括。うどん屋の海外展開や米国レストランチェーンの買収、店舗オペレーション改善に携わる。政府系PEファンドを経て現職。

栃内 慶彦 @mani_0417 | Retail Strategy & Operation
コロラド州の大学を卒業後、Ernst & YoungのNYオフィスでキャリアをスタート。帰国後はPwC・カートサーモン(後にAccenture Strategyに買収)にてB2C及び小売りクライアントの戦略策定に従事。その後Amazon消費財事業部のSr.PM、Amazon FreshのHead of SCM/In-stockを経て10Xへ参画。


コンサル出身メンバーが10Xを選んだ理由とは


ーまず、皆さんの経歴と担当されてきたプロジェクトについて教えていただけますでしょうか

川崎:新卒で外資系コンサルに就職して7年過ごし、マネージャーまで担当しました。モビリティ領域を専門としており、交通事業者・自動車会社双方に関わり、中期経営計画の策定から、現場のオペレーション改善まで、幅広くやっていました。

上村:新卒では、イギリス系コンサルティングファームであるL.E.K. Consultingの東京オフィスで勤務していました。ヘルスケア領域を担当しており、製薬企業の案件が6〜7割、その他が3割でした。M&Aを通じた市場参入のプロジェクトが多かったです。

その後転職し、丸亀製麺を展開する株式会社トリドールホールディングスのアメリカ事業を3年ほど担当。海外志向が強かったことと、アドバイザーとしてではなく自ら物事を動かしたい、という気持ちから転職を決意しました。あとは個人的にBtoCの事業が好きで、さらにトリドールは社長がビジョナリーで魅力的で。ただ、熟慮の末の転職、というよりは割と直感型転職です!

前職のトリドール時代も現場に赴かれていた上村さん

ートリドールへの転職後、「事業に関わりたい」というモチベーションは果たされたのでしょうか?

上村:それに関しては、基本Yesですが、 Noな部分もありました。コンサルとは違い、会議で「これやろう!いいね!」となってから、その後の動きも見ることはできましたが、現場できちんとプロジェクトが動くこともあれば、動かないことも。また担当していたのがアメリカ事業だったので、レストランが開いてる時に自分は就寝中だったりも。事業を見るという意味ではまだ1歩遠く、もっと事業に近づきたいという思いを抱えていました。

ーみなさんがキャリア上なぜ10Xに行き着いたか、転職時に他の選択肢も検討していたのかを教えて下さい。

川崎:10X入社の決め手は、①モビリティ領域を自分の事業として突き詰められること ②知的エキサイトメントが高いこと ③ワークライフバランスが取れること、の3点でした。

①についてはコンサル時代も専門としていたのですが、10年後に「自分がこれを作った」という1本の線が見えるよう、モビリティの領域にしっかりと関われる事業会社にシフトチェンジしようと考えていました。

②に関して、10Xでは「まず重要なイシューを特定しアタックしよう」ということが当然のムードになっていて、骨太に問題解決に取り組んでいます。実は転職時はレイターステージの海外スタートアップの日本でのポジションと悩んでいましたが、そちらはすでにロールや組織・プロダクトの型が決まっており、10Xの方が問題解決の幅が広いと感じ入社を決めました。

③ワークライフバランスについて。コンサルのキャリアの中でもマネージャー〜準パートナーのフェーズは、一番多忙なタイミングである印象です。前職ではマネージャーを務めている中で、第二子の出産も控えており、キャリアでもプライベートでも大変な時期になることが目に見えていました。しかしワークライフバランスの、ワークだけに振る気も、ライフだけに振る気もなかったので、ちょうどいいバランスを探して10Xに辿り着きました。

10Xオフィスでの上村さんと川崎さん

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ー上村さんはどうやって10Xに辿り着かれたのでしょうか?

上村:10Xの前はPEファンドで仕事をしていたので、M&Aや資金調達のニュースを毎朝読んでいました。そこで10Xの2021年夏の資金調達に関する記事を見て、「なんか名前カッコいいな!面白そう」と感じたのがきっかけです。その後10XのOpen Officeに参加、カジュアル面談まで設定してもらい、とんとん拍子で転職していましたね。元々企業選びの軸として、BtoCで、かつ「自分の身近な世界がよくなっている実感があること」を大事にしてきました。現在は10Xの経営企画に近い職種で、かなりフィットしている実感があります。これまでのキャリアはグローバル推しでしたが、日本国内の事業である10Xも面白さを感じています。

自分のアンテナを研ぎ澄まし、キャリア形成を考える


ー栃内さんは、戦略ファームから消費財EC Retail、そしてe-Groceryを経て10Xに辿り着かれました。こうしたキャリアをなぜ選択されたのか、特定の業界へのエッジを効かせたキャリアの面白さについて教えて下さい。

栃内:キャリアを最初からお話すると、実は戦略ファームの前に会計ファームにいたんです。大学では会計学を学び、その後ニューヨークのEYでタックスを担当。会計業界はパズルを組み立てるようなエキサイトメントはありましたが、元々持っていた消費者行動が好きという自分の気持ちに気づきました。その後小売を専門にした戦略ファームであるカートサーモンに転職し、案件はすべてBtoC企業という環境に。商品計画やデータ分析など全てのレイヤーに携わることができ楽しかったです。

カートサーモン時代の栃内さんとチームメンバー

コンサルとして約9年間勤めた後、初めての事業会社としてAmazonに入りました。Amazonを選んだ理由は、①英語を喋れる ②データに触れられる ③BtoC、という3点です。4年間所属し、セレクションのPdMを3年、最後の1年はAmazon FreshのHead of SCMをしていました。品揃えを通じた戦略立案から、よりカスタマーが便利と感じてくれて、かつ事業の持続性も担保できるような利益率のでる商品の見せ方まで、トップライン〜ボトムラインまで経営を見る経験を通じネットスーパー事業での経験値を積むことができました。

ー小売の専門性を持つようになったキャリアの転換点はどこにあったのでしょうか?

栃内:会計コンサルの時代から「いつか消費者に近い領域にいきたい」という自分の気持ちを捨てなかったことでしょうか。消費者行動と行動経済学の2トピックには長らく興味があり、会計時代もずっとアンテナを張っていました。だから、会計・税務のフィールドでのキャリア形成を一度捨てて、自分がやりたいことを突き詰め飛び出すことができ、その後小売や消費財・グロサリーに続くキャリアパスに繋がっていきました。

「何年後にこのポジション」という具体的な年数でのキャリアチェンジも考えましたが、自分にとってその数字が生々しいものではなく、振り切ることができず。それよりも、自分のパッションを持てるトピックをずっと脳内に持っていたことで、カートサーモン・Amazon・10X、とヘッドハンターの紹介・Linkedinでのアプローチなどを通じてアンテナに引っかかった企業が現れ、その時々で納得いく意思決定ができました。業界を意識的に絞ることは怖いと思うのですが、自分が好きだと感じられるものにアンテナを立てていると色々な情報が入ってくると思います。

スタートアップでも活きる、コンサル時代に培ったスキルとは


ー10Xの中でコンサル時代のスキルが活きているなと感じる点はありますか?

川崎:コンサル時代のスキルで特に活きていると感じるのは、問題解決のスキルでしょうか。スタートアップは泥臭く手数を多く試すようなやり方が良しとされるのかもと考えていたのですが、むしろリソースが限られるので問題解決の手法はシビアに選択することが必要です。

10XはBtoBtoCという特性もあり、パートナー企業の戦略層から入っていくことが求められています。コストコの案件* など、自分がオーナーのプロジェクトはかなり自律的に判断を求められ、イシューツリーを描いて問題発見をするなど、かなり上位レイヤーから問題解決に取り組んでいます。

*中部電力ミライズコネクトが10XのStailerを導入。中部地域初!コストコ商品が買える買い物代行サービスを開始

上村:10Xでは様々なことが起こるので、リソースが短期的に不足しているプロジェクトに入り伴走するようなこともやっています。コンサル時代は、より創造的な仕事にリソースを使えるよう、様々な業務の型化・フォーマット化を徹底していたのですが、その系譜を引き継いで、自分が10Xで新規プロジェクトに入った時にすべきことは、専門知識がない人でも入っていけるように型化・フォーマット化することだと考えて動いています。

栃内:コンサル時代だけで培ったスキルではないのですが、①課題解決力 ②論理的思考力 ③伝える力が活きていると感じます。論理的思考力を持ち、構造化して課題を解決する。そして理解したことを正しく伝える。こうした力を鍛えてきたことで「今の論点はこれ」というのがより生々しく感じられるようになりました。10Xではパートナー企業の役員の方と話す機会も多くあるのですが、先方の論点を捉えてコミュニケーションできています。

コンサル出身者が、10Xに来てキャッチアップしたこと


ー逆に10Xに入ってから学んだことや、身につけたスキルはありますか?

川崎:プロジェクトを細部まで詰め切る力でしょうか。コンサル時代はプロジェクトの全体管理をすることが多かったのですが、10Xでは手元で1つ1つのイシューまで突き詰め自分で推進するため、本当に細かいところまで気を配らないといけないですね。

前職時代の川崎さんとご同僚

上村:IT業界は初めてだったので「ソフトウェアとはなんたるか」をキャッチアップしました!私は元々ガジェット好きですし、ITリテラシー自体は高いと思っていたのですが、サービスがどのようなプロセスで開発され、リリースされるのか、という道筋は10Xに来て初めて理解しました。ここは時間をかけてキャッチアップしましたね。

栃内:私は仕組み化のスキルでしょうか。Amazonではすでに仕組みが出来上がっていたことが多かったのですが、10Xでは自分で最後までやり切る〜オペレーションに落とし仕組み化する〜他のパートナーにも展開していく、ということまで一連の流れとしてやっていかないといけない。ここを怠ると会社としての成長に繋がりづらいので、意識的に取り組んでいます。

コンサル出身者が考える、小売・食品EC事業の面白さは「業界の解像度がまだ高くない」こと


ー元コンサル視点で、小売・食品業界全体をどう見ていますか?

栃内:個人的に小売・食品EC事業の楽しさは2点あります!①業界の解像度がまだ高くない ②バリューチェーンに入れる、ということです。小売・食品EC事業は消費行動のサイクルも早く、データポイントは溜まっているはずなのに、まだあまり型化されていないんですよね。またネットスーパー自体もまだ新しいサービスだからこそ、参考となる本や、経験値の豊富な人も少ない状況。「これがネットスーパーの型です!」と言い切れる人は日本にはまだいないので、これからエキスパートになれる可能性が多いにあると考えています。

Amazon FreshのHead of SCM時代の栃内さん

また、私は食べることが好きなので、ゆくゆくは10Xで食のバリューチェーンに入るようなプロジェクトもやっていきたいです。10Xの事業は今後、水耕栽培など、農業のレイヤーまでも入っていけると考えています。

上村:小売業界の面白さでいうと、日々自分の身の周りのことが良くなっていることって非常に納得感が高いんですよね。身の回りの体験がどんどん改善していくことってすごくハッピー。トリドール時代も「アメリカに安くておいしい食べ物が増やせる。うどんってすごい!」と考えていて。私にとっては自社の事業を自分事として捉えられるかどうかがすごく大事なんですよね。

トリドール時代の上村さん

ー10Xでは、どんなスキル・スタンスの人が活躍していると思いますか?

上村:スキル面では色々あれど「小売領域のデジタル化・プロダクト開発にパッションがあるかどうか」は非常に大事だと思います。ITスタートアップでのキャリアやポジションを作りたい!というよりは、小売が好きで、ソフトウェアで解決することにモチベーションが高い方の方がより中長期へのチャレンジを楽しんでいただけるかなと思います。

Retail Strategy&Operationチーム + αのオフサイトの様子。Biz寺崎さんとお子さんも参加されていますね!

10Xは次の1歩を踏み出し、自分のキャリアを築く機会に恵まれた場所


ーキャリアに迷う若手コンサルの方に伝えたいメッセージはありますか?

川崎:自分もそうでしたが、若手時代だと、まだ自分が何の専門家でもないことに悩んでいる人も多いと思います。そんな方にとって、10Xは次の1歩を踏み出し、自分のキャリアを築いていく機会に恵まれた場所です。栃内さん・上村さん以外にも、色々なコンサル出身メンバーが、 BizDev、Growth、Corporate Strategyなど色々な部署で活躍しています!なので比較的「元コンサルのスキルを生かしてチャレンジする」というキャリアのサンプルを得やすい環境です。何でもできるけどまだ何者でもない、ジェネラリストの人がGrowthやBizGrowthのメンバーから知見を得つつ、専門性を作っていくことができると思います。まだ何をメインに据えるか迷っているとしても、小売に興味ある・BtoCが好き・ユーザーに近いところに興味がある、など現時点での興味の方向が近ければ、ぜひ一度お話しましょう!相談にも乗ります!

上村:「元コンサル」って可能性が広いんですよね。広すぎて、時に可能性の海に溺れてしまいがちですが、一度軸を決めちゃえば結構楽ですよ!私も色んなキャリアチェンジをしてきましたが、一度決めて飛び込むと周囲は「いいじゃん!お前っぽいよ〜!」と言ってくれます(笑)ぜひ、やりたいことをやってください!

栃内:キャリアを考える上で、個人的に大事だと考えているのは「好きなものにアンテナを張ること」です。またその際大事なのは「サービスが好きだから、接客に行こう」とかではなく、少し抽象度を上げて考えることかなと。どの要素が自分の琴線に触れているか探り、一段階抽象度をあげる。僕の中では会計→ファイナンス→戦略とコンサルを模索した中でも、消費者行動がわかりやすい小売エリアが好き、という軸が見えたので、ネットスーパー事業は宝の山のようです!ぜひ一緒に宝の山を掘りましょう!

10Xでは、今回の座談会参加者以外にも「元コンサル」メンバーが多数活躍中です!


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