配送体験を担う『お届けチーム』の半年を振り返り!【As Oneな取り組み】

2023/12/19


10Xでは、「Think 10x」「Take Ownership」「As One Team」という3つのバリューを掲げています。今回取り上げるのは「As One Team」。『一丸となって連帯する』という意味は分かるものの、「10Xにおける具体的な『As One Team』って?」「100人以上の組織で、本当に実現できているの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

このシリーズでは、部署や職種を横断して「As One Team」を体現しているメンバーに、10Xのリアルな仕事現場を伺っていきます。今回は、お届けチーム、ソフトウェアエンジニアの松浦さん(teshiさん)とPdMの宮前さん(koichi-mさん)。そして、オペレーションマネージャーの野地さん(nojiさん)の3名に伺いました。

半年前に「お届けチーム」が組成された後、職種の異なるメンバーが協業し、時に現場にも足を運ぶことで、スモールステップながらも着実にStailerの「お届け体験」の改善を進めてきたとのこと。いったいどんな「As One Team」を発揮しているのでしょうか?

宮前 宏一

@koichi_miyamae

Product Manager

2009年スマホアプリの運営会社に入社。ソーシャルゲームの企画・運営などを担当したのち、アメリカで北米向けアプリの企画開発を担当。2018年にメルカリに入社し、メルカリUSのPdMとしてグロース施策の推進・CRM基盤の開発などを担当。2019年10月にメルペイに移動し、大型キャンペーンやグロース基盤などのPdMを担当。2022年10月に10Xへ入社。

松浦 優衣

@teshi04

Software Engineer

複数のAndroidアプリ開発を経験。株式会社メルカリ、neuet株式会社ではシェアサイクルサービス「チャリチャリ」のアプリ開発に従事。Androidにこだわらず企画なども担当。2022年5月に10Xへ入社。仕事に取り組む上でのモットーは「お客様に価値を届けるオアダイ」。

野地 哲矢

@tsukui7

Operation Manager

Oisix ra daichiにて営業マネージャー、配送員マイスター制度を立ち上げ後、関西拠点のセンター長としてセンター統合をマネジメント。2021年11月に10Xへ入社。

ーーまずはみなさんの10Xでの役割について教えていただけますか?

koichi-m:私はお届けチームのPdMを担当しています。お届けチームは、お客様の注文完了〜配達完了までが担当範囲ですね。お客様の注文データを元に、商品を店舗からピックアップし、梱包、そしてお客様の元へ配達を完了させるまでが担当領域となります。

teshi:私もお届けチームのSWEです。元々はAndroidエンジニアだったのですが、10Xでは、アプリもサーバーサイドもいずれも担当しています。

noji:私はお二人とは違って、リテールオペレーションズ(以下RO)部に所属しており、オペレーションマネージャーとして、小売現場の業務オペレーションの管理・支援をしています。Stailerというプロダクトをどう使うか、現場がどんな環境であるべきか、その環境にはどんな人が・何人・どれくらいの時間稼働すべきなのか、あるべき姿を考えつつ、その上でキャパシティの拡張や、低コストでの出荷の実現などに日々頭を悩ませています。

ーー「お届けチーム」が立ち上がった時期と背景、当初の目的はどんなものでしたか?

koichi-m:10Xは元々、パートナー別の各事業部に対して開発チームが紐づく形で開発が行われていました。あるパートナーを担当する事業部Aに対して、事業部A専任の開発チームが担当するような形ですね。2023年4月から、お買い物・お会計・お届け…といったStailerに求められる機能ごとのチーム編成となりました。

Stailerというプロダクトがだんだんと大きくなることで、メンテナンスコストが高まっていたんですよね。10Xの中で、オーナーシップを明確にした上で、個別の領域に対して狭く深く潜りながら、長期的なものづくりが可能な体制を築く必要がありました。

teshi:今までは、Stailerという複雑なプロダクトに関して、広く全てを知らないといけなかったんです。売り場のこと、お金のこと…。現在は、ドメイン別の開発体制に移行したことで、私も「お届け」という領域を極めることができるようになりました。コード面でも、エンジニアみんなが以前は広くコードを触る感じでしたが、現在は腰を落ち着けてメンテナンスできるようになりました。

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ーー「お届けチーム」のミッションと役割は?
koichi-m:我々のチームミッションは、下記の通り定義しています。

お届けチームのミッションと責任範囲はこのように言語化されています


ーー生産性・確実性・パートナーUXに加えて、「収益性」についてもミッション化されているんですか?

koichi-m:はい、実はネットスーパーにおいて、オペレーションの多寡はそのままコストに反映されるんですよね。
ネットスーパーの売り場における商品価格は、店舗の価格と一緒であることが多いです。同じ商品価格にもかかわらず、ネットスーパーは店舗でのピック&パックのスタッフやドライバーの人件費、車両代、ガソリン代…と、配送料をいただいているとはいえど、どうしても収益構造が赤字になりやすいサービスです。
全体のオペレーションコストを小さくすることが、ネットスーパーの収益に寄与するため、生産性・確実性の向上のみならず、収益性にも責任を持つ、とミッションに掲げています。

noji:通常のスーパーであれば、お客様が売り場をまわって、商品を選んで、ご自身で荷物を包んで、お家に持ち帰って…と、ご自身でお買い物を完結いただけます。しかし、ネットスーパーのお届け業務については、現場のスタッフがこの全ての作業を行います。通常のスーパーでのお買い物体験では当たり前に実現されていることを、ネットスーパーでもいかに確実に実現するかが本当に大事なんです。そして、その上で各オペレーションにまつわるコストをきっちりと圧縮しないと、価格維持のための収益性の担保ができなくなるんですよね。

ーーお届けチーム・ROの協業として、具体的に行った施策について教えてください。

noji:まず、箱ラベルが進化しました!

箱ラベルには、配達に必要な要素が見やすくレイアウトされています


箱ラベルとは、お客様からいただいた注文ごとに作られ、食料品を運ぶコンテナに貼るものです。1つ目の改善として、注文毎の食料品点数の総数がラベルへ分かりやすく表示できるようになりました。また、2点目として、増箱した場合のラベルへの情報連携も可能になりました。注文1回あたりの商品点数が多いと、ラベルを追加で印刷して別コンテナに貼る必要があるのですが、以前は後から商品追加する際などに、一つ目の箱かどれなのか探せない…ということが起きていました。お届けチームとROで協業し、この2点を改善していただきました。

箱ラベルに関しては現場からの要望もあり、改善したいな、と思っていたのですが、以前の体制だと各事業部のエンジニアたちに、背景や意図まで含めて改善の要望をきちんと伝え、そして実際に改善に繋げることは難しかったんです。しかし、ドメイン別の体制になったことで、オペレーションに関わる領域はお届けチーム、と窓口が明確になったので、非常に動きやすくなりました。

teshi:箱ラベル自体はサイズも大きなものではなく、またスタッフの方の視認性も確保しようと思うと、限られたラベルの表示領域において、どの情報をどのように表現するのか、難しい課題でした。

koichi-mi : 一時期、teshiさんは印刷ラベルにまみれて仕事していましたよね(笑)
teshiさんは、他のエンジニアがあまり手をつけられていなかった、ラベルプリンターや業務用のスキャナーなど、日常で触れないデバイスとの連携などにも最初から手を上げてくれており、さまざまな改善に取り組んでくれていました。

teshiさんが箱ラベルのレイアウトや要素を検討していた際のSlackでのやりとり


teshi:モバイル端末が好きなので、小売の業務用の端末なども興味深くて、色々実験するのが楽しいんです。

ラベルについては、過去パートナー企業の現場に行った際、自分で想定していたラベルの向きと縦横が逆だったことがありました。印刷用紙の向きが異なる場合、配送に必要な要素が印刷されない可能性も。この点は現場に行ったからこそ気づき、改善することができました。

koichi-m:印刷ラベルも企業によってサイズが違ったりするんですよね。面白いですが、結構大変な点ですよね。

その他、スタッフアプリの機能については、Stailer(ステイラー)機能紹介動画内でも紹介しております!

ーーそれぞれの企業によっての使われ方があるのですね。その他の改善についてもぜひ教えてください。

koichi-m:管理画面上での受注件数と、その日の注文済み商品の一覧表示にも取り組みました。こちらも、パートナー企業の現場で課題を察知し、改善に繋がりました。

PCで見る管理画面で、当日の注文商品と注文点数の表示ができるようになったのですが、以前は当日のピックパック作業がどの程度かかるのか、全体把握するために1つ1つ注文を見て、注文点数と商品を足し上げされていたんですよね。

エンジニアと一緒に現場を確認し、ここは簡単に改善できる点だったので、帰路でプロトタイプを作ってもらい、「これでいけそう!」とすぐにリリースできました。この改善は後に、他のパートナーから喜びの声をもらうことができ、まさにプラットフォームとしての価値提供の真髄だと実感しました。

noji:一見、注文件数で考えがちなのですが、物流現場だと、件数ではなく、1オーダーに10点注文が入る時と、40点入る時で、作業量が全然違ってくるんですよね。この改善で、今日は何点注文があるのか、応援を呼ぶ必要があるのか、判断できるようになりました。

Stailerでの商品ピッキングは、注文点数によって作業量が大きく変わってしまいます


koichi-m:たくさんの要望が寄せられる中で、こうした小さな改善は優先度判断が難しい瞬間も多いんです。1つの改善で、作業が10秒短縮できる!など、パッと見た時にインパクトが大きくなく、対応すべきなのか悩んでしまったり。しかし、お届けチームとnojiさんで議論する機会も増え、こうした判断ができるようになってきましたよね。この改善は、全体で見ると、1ヶ月にn回発生しているから、実は大きな時間短縮になる!など。現場の解像度が上がったことで正しい優先順位付けができるようになりました。管理画面の数字の件はROIが良いな、とか。

teshi:以前は現場に行って課題が分かったとして、この課題に対して、解決のHowが正しいのか判断できないことが多かったんです。ROとの連携によって、Howの解決策に納得して取り組むことができています。さらに解像度を上げ、自分たちで判断できるようになるといいですが、現時点では現場のプロであるnojiさんの目線が入ることで、自信を持って判断できています。

noji:現場に入って、ここをこうしたい、相談したいと感じた時、現在はオペレーションのことであればkoichi-mさんにまとめて相談できる。ドメインに特化して取り組んでくれているのは双方にとってメリットが大きいですね。

ーーお届けチームでの取り組み全体を通じて気づけたことや発見、ギャップや機会があれば教えてください

koichi-m:こうした業務オペレーションのプロダクトに携わっており、かつネットスーパーの領域の経験がある人、ってほぼいないんですよね。オペレーションの中でいかにプロダクトが使われているのか、知れるようになって「知らないことばかりだな」と感じました。今も少し分かったかな、いやまだ知らないことが多いな、を行ったりきたり。初めてのパートナーの店舗にお邪魔すると、同じプロダクトでも使われ方が違い、寄せられていた要望の背景も異なっていることが分かります。そのあたりの理解がさらに進んだのがお届けチームとROの協業のWinだと感じています。

現場リサーチも、月1の頻度でお届けチームからメンバーが参加するようにしています。nojiさんに加え、ROのnoriさん(柳田さん)とも一緒に現場でのオペレーションを見させていただき、プロダクトの要望はこういう背景から来ていたのか、と、良い発見が毎回あります。

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ーーまさにAs One Teamですね。今後のお届けチームのあり方や、さらなる価値創出のために取り組んでいきたいと考えていることはありますか?

koichi-mi:お届けチームとして、まずは小さな改善から始めていきました。一つ一つがすごく大事な取り組みだと思ってやっていますが、全体で見た改善インパクトという意味ではまだ小さいです。しかし、足元のインパクトは小さくても、必要なアクションを続けることで、膨大な全体像の理解が進み、さらなる大きな改善につながると信じて、引き続き取り組んでいきます。

お届け領域の膨大なプロダクトを網羅的に理解し、あるべき形に持っていけそうか?と問うと、まだまだです。これはオペレーションで解決する、これはプロダクトで…と差配した上で、共通のイシューを追いかけていけるチームになれればと考えています。

noji:私たちROチームにとっても、お届けチームがこのドメインに絞って開発を推進してくれていることは、Stailerを成長させる上での強い武器になっています。私たちは現場に行く回数が多いのですが、毎回、現場の方からプロダクトへのフィードバックをいただきます。しかし、ROはプロダクト開発を主導するチームではないという背景もあり、いただいたお声を実際に形にするまでにはどうしても時間がかかっていました。
現在は、お届けチームのメインPdMはこの人、エンジニアはこの人…と、直接チームとやりとりできるので、現場でフィードバックを受けたものを形にし、次回訪問時に開発実績というお土産を持っていくことができています。特に私たちROチームは、検証のため、同じ店舗に何回も行くこともあって、現場スタッフの方からの反応をダイレクトに受けるんですよね。実際に喜んでもらえると、やりがいも感じますし、課題解決できた嬉しさがあります。また、現場の方に「Stailerは要望をきちんと解決してくれるんだ!」と思ってもらえることで、さらに次のフィードバックを求めることができる、よい循環にもなっています。

お届けチームでは様々なメンバーが定期的に現場の視察へ赴いています


teshi:お届けチームに入って半年間、小売現場への解像度がどんどん高められていることを感じます。今後取り組みたいこととしては、スタッフアプリの大改修です!まだ、現場をあまり知らない状態でStailerのスタッフアプリが作られていたので、今だったらもっと現場にフィットした形で作り直せるのでは、と感じています。なので、今の知見を持って、スタッフアプリを作り直したいです。

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現在開催中の「#10Xプロダクトアドカレ2023」でも、お届けチームメンバーによる記事が更新されています。ぜひ、併せてご覧ください!


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