【Why 10X?】vol.7 @hisaichi5518 に聞く、強いエンジニアは、変化に強いエンジニア?

2021/5/19


10Xメンバーに「Why 10X?」を聞いていくシリーズ。第六回目はソフトウェアエンジニアの久田一輝(@hisaichi5518)さんです。

実はCTOの石川と新卒同期で、10Xには3人目の社員として入社した久田さん。これまでの経歴と入社して驚いたこと、そして「常に変化をするように心がけている」というキャリア観について聞きました。

久田 一輝 | @hisaichi5518
Software Engineer
面白法人カヤックでぼくらの甲子園シリーズのリードエンジニアを務める。その後、GMOペパボでハンドメイドマーケットminneのWeb API開発に関わった後にチーフテクニカルリードとしてモバイルアプリケーションの技術基盤の整備や技術選定を担う。

ー 自己紹介と、最近どんなお仕事を担当されているか教えてください

ソフトウェアエンジニアの久田と申します。周りからは「ひさいち」と呼ばれています。10Xでは主にFlutterで開発を行っており、最近はFlutter for Webを使って、既存のアプリをWeb上で動かす、みたいなことをやっています。

Perlを突き詰めた後、エンジニアとして「変化」を求めるようになった理由

ー これまでの経歴について教えてください。

新卒は面白法人カヤックに入社しました。元々独学でプログラミングはしていたのですが、文系学部だったこともあり、実はエンジニアとして就職できるとは考えていなかったんです。インターネットですごいエンジニアたちを目にしていたので、勝手にそう思いこんでいました。

あまり就活もせずふらふらしていたのですが、Twitterでカヤックの会社説明会について知り、ツイートしたらカヤックの中の人が「来てないんですか?」と声をかけてくれて。Twitterきっかけで採用に応募しました。当時、独学で勉強していた言語はPerlだったんですが、カヤックもPerlで開発を行っている会社で、うまくマッチし内定をもらえました。

カヤックでは『ぼくらの甲子園!』シリーズの開発を担当し、リードエンジニアも務めました。『ぼくらの甲子園!熱闘編』や『ぼくらの甲子園!ポケット』などの開発を行った後、GMOペパボへ転職しました。

ー 一度目の転職どのような背景だったんでしょうか?

もともと新卒の頃から「Perlしか出来ないのでPerlをやりたい」と思ってカヤックに入り、そして幸運にもかなり色々な開発を任せてもらえました。Perlを使用したアプリケーション開発ではもう困ることはない!というところまで深めることができたのですが、同時にPerl以外での開発経験がないことにも不安がありました。今後Perlがどんどん別の言語に取り変わっていった時、エンジニアとして食べていけなくなるのでは…と。そんな不安もあり、技術領域を広げたいと考えていた時期でした。

2社目であるGMOペパボへの転職は、グロースチームができる、という栗林さん(現GMOペパボCTO)のブログ記事を目にしたのがきっかけです。ブログ記事をはてなブックマークしたら「興味あるんですか?」とDMを頂き、話を聞きに行ったら面白そうだなと興味を持ちました。でも正直なところ、グロースのことは分からなかったので「グロースハック分かんないです…」と言いながら入社しました。

グロースチームというだけあって、グロースのために必要なことは色々やらなくちゃいけない環境でした。栗林さんからも「最初の1ヶ月で5言語触りましょう!」と言われ、実際にやってましたね。それまではPerlしか触っていなかったので様々な言語を扱えるか少し不安だったんですが、JavaScriptでページをいい感じにしたり、GoやRubyを書いたりと、色々な技術に関わる機会が増えました。どの言語も実際にやってみるとPerlに通ずるものもあり、意外とできるなと思い始めました。

転職した直後、YAPC::Asiaのノベルティにひさいちさんの写真が使われていたそう(愛されてたんですね!)

ー GMOペパボでは実際にどのようなことを担当されていたんですか?

グロースチームからminne事業部に異動した数カ月後、Androidエンジニアが必要になったのですが「新しくエンジニアを採用するよりもひさいちがやった方が早いんじゃない?」と言われ、モバイルアプリ開発にもアサインされました。元々グロースチームとしていろいろな言語に触れており、新しい言語や技術への抵抗感も薄れていたので、そうした状況にも慣れてました。

ペパボではそんな経緯でAndroidアプリ開発をやりはじたのですが、実際に開発していると「ここのテストを書きたいな、でも書きにくいな」と思うことがありました。それはなぜか?と理由を探っていった時、もっと設計をかっちり決めたほうがいいことが分かり、自分でも設計を定める中で、Androidアプリチームのリードエンジニアを担当するようになりました。さらにそこからモバイルアプリチーム全体を見守るチーフテクニカルリードになり、メンバーの評価や採用、iOS・Androidのモバイルアプリにおける技術的な課題の発見や解決など、どういう風にチームの生産性を上げるのかといったことに注力するようになりました。

変化の成功体験を積み、さらなる変化を求めてスタートアップへ。

ー そんな中で、どうして10Xへの転職を考えられたのでしょうか?

元々CTOの石川くんはカヤック時代の同期で仲がよく、矢本さんの話もよく聞いていました。当時メルカリに勤めていた石川くんから、矢本さんのことを「同じ会社に本質おじさんがいる」と耳にしていました(笑)10X創業後、開発中のタベリーのモックアップを見せてもらったこともあるのですが、「すでにめっちゃ面白いじゃん!」と思っていて、そんな感じで創業時からよく知っている会社でした。

当時ペパボでの業務に不満はなく、満足していたのですが、石川くんから10Xのお茶会(※当時募集していた、採用候補者の方とカジュアルにお話しする会)のお誘いを受けました。行ってみたら実際にはお茶会ではなく、ココイチに行ったのでカレー会でしたが…… 矢本さんと直接話してみて直感的に「なんか面白そうだな」と思えたんです。10Xへの転職はけっこう身軽に判断しました。


当時募集していたお茶フォーム

判断に迷ったら常々「おもしろそう」な方を選んでます。安定=変化がない状態・こなしている状態だと思っていて。同じことをずっとやっていても成長はあると思うのですが、個人的にはいろんなことをやることで変化に慣れていきたいと思っています。

ー エンジニアとして「変化」がなぜ大事だと考えているのでしょうか?

この業界はめちゃくちゃ変化が激しいと思っています。技術トレンドは数年で変わるんですよ。10年前はKotlinはAndroidアプリを開発する会社は少なかったけど今はKotlinを選択する会社はたくさんあります。同じくFlutterも10年前にはなかった選択肢ですよね。そうした変化に対応できないとエンジニアとしてはいつか食べていけなくなると思っています。

新しいことへ対応できるように成長していくことが大事だと思っているので、キャリアの中ではなるべく「変化」をするように心がけています。エンジニアとしてはもともとPerlしかできないところからスタートして、その後色々な言語を触って、わりかしできるかな、と思えた。そうした変化の成功体験を何度も積んできたので、環境を変えることに対してはかなり楽観視できるようになってきました。

変化が多い業界だからこそ、身軽にいろんなキャリアチェンジができる人間でいたいと思っています。今はFlutterでアプリを開発していますが、5年後にFlutterがどうなっているかは分からない。別の新たな言語やツールが発展しているかも。その時にはまた適切な選択肢を選べるようにしたいですね。

スタートアップへの転職も同じ行動原理で、そこまでは深くは考えずに行動していました。僕が入社した当時の10Xって5人以下だったんですけど、もし何かあって会社が潰れても、別の会社に行って働けるし、と思っていました。これまでのキャリアで色んな変化をしてきた経験があるし、今後もどうにでもなるだろうな!と。いい意味で気楽にとらえていました。


2018年、社員がまだ5人だった頃の人形町オフィスにて

10Xの開発の特徴は、大胆な意思決定や柔軟な技術選定

ー ひさいちさんは10Xの中では古株のメンバーですが、これまでの印象的な開発経験はありますか?

入社してから一番びっくりしたのは、作っていた機能をリリースしなかったり削除したりすることですね。例えばタベリーをやっていた頃、栄養士さんがチャットで献立を作ってくれる機能を1−2ヶ月かけて開発していたのですが、この機能はリリースしないことになりました。

もちろん、意思決定の背景はきちんと共有されますし、矢本さんは説明がすごく上手な人なので「言われてみればそうだな…」と毎回納得できるのですが、今までそうした大胆な判断をするプロダクトマネジメントを見てこなかったので「こういう判断もあるんだ!」と、けっこう衝撃でした。そうした意思決定ができるのは10Xの強みでもあると思います。とはいえ、一度作った機能を捨てる、というのはあまりよくないとは思っていて。最近は自分たちの中でサービス内容を十分に咀嚼し、本当に必要な機能もクリアになってきたので、そうしたことは減っています。

また別の意味で10Xらしいな、と思うのはサイトをスクレイピングしてとか、アプリからWebサイトを操作して…というような、他社がなかなかやらない選択を、プロトタイプを作ってみてサクッとやると決めるところですかね。例えば、イトーヨーカドー ネットスーパーのWeb版は10Xが創ったものではなく、以前から存在していたものです。APIがないため、データベースも直接アクセスはできない。でもイトーヨーカドーのWebを経由して注文を完了させたり、クローリングしてデータを持ってきたりといった開発をしています。はっきり言うとすごくめんどくさくて、技術的にも気をつけることがたくさんあるような開発なのですが「やろう」と決めてやりきる力があるのが10Xですし、その技術力があるからこそ他の会社と差別化できる。更に加えて、一度うまくいったことでも、「同じスタイルの開発はもうやらない」と、今後のことを考えて早期に意思決定できるのも開発者として納得できる会社だなと思います。

ー 開発するプロダクトがタベリーからStailerに変わり、技術スタックにも変更があったと伺いました。苦労はありましたか?

苦労したと言えば、苦労しました。新しいことに挑戦する開発はこれで合っているのだろうか?と心配しながら開発しているし、新しいことを学ぶのは大変だからです。しかしiOSとAndroidのモバイルアプリ、サーバーサイドまで、Dartで完結するので結果的にはすごく楽になりました。言語に関して思考を切り替える必要がなくなり、そういう意味では苦労せずに開発できました!

「何の課題を解くのか考えられる」ことを求められるエンジニア組織

ー ひさいちさんがメンバー紹介で話されていた、「何の課題を解くのか」「どう解くのか」について教えていただけますか?

サービス作りで大事なことは2種類あって「何の課題を解くのか」「その課題をどう解くのか」だと思っています。後者の「どう解くのか」については、これまでのカヤック・ペパボ時代を経て、割と自信をもってできるようになっていました。ただ、「何を解くか」については、まだ経験が浅く、それをできるようになるためには、矢本さんをはじめとした「何を解くか考えられる人」と一緒に働くのが良いと思いました。

10Xでは実際に、大きなイシューがぽん!とあり、その大きなイシューの中でさらにどのイシューを解くのか、さらにどうやって解くのかまで、僕たちプロダクトチームが担当して考えています。入社時からそんなカルチャーだったので、3年でかなり鍛えられてきた実感があります。その他にもエンジニアの担当領域が広い開発体制で、設計からデザイン・開発まで広く関わることが多いです。また最近一人目のデザイナーが入社し、これまではエンジニアや石川くんがデザインしていた状況でしたが、新たに手を加えたものはデザイナーのレビューを経てからリリース出来るようにもなりました。

ー 10Xで働いていて、特にポジティブに感じるポイントはありますか?

僕はやっぱりコードを書くのが好きです。10Xでは突発的なミーティングはありますが、定例の会議はほぼなく、集中してコードを書ける環境なのはすごく嬉しいです。

また入社当時5人だったメンバーも今は20人以上になりました。新しいメンバーが入ると、いろんな視点が増えますよね。そうした新たな視点が入ったから気づけることも増えてきたなと感じています。同時に10Xカルチャーの根っこの部分は変わっていないのは、バリューがしっかり定義されていて背景などが共有され、またバリューに沿った採用がなされているからかなと思います。


10Xではミーティングよりも「今ちょっといいですか?」とクイックに相談することが多め

ー  ひさいちさんから見た10Xの開発組織について教えていただけますか

エンジニア組織については、現状だとシニアしかいない状態ですごく珍しいなと思っています。今までの会社は、新卒もメンバーにいたので、シニアだけの組織ははじめてです。みんな強くてすごいなぁ、と思いながら働いています。

10Xらしいなと思うのは「自律してやる」が基本スタンスとして徹底している点でしょうか。自分の担当領域外でも「ここよくないかも」と思ったらIssueを立てて、各自で自分で実装しちゃうところまでやっていて、バリューである「自律」はカルチャーとして深く浸透していると感じます。各自がさくさく自律して開発しています。

プロダクトで必要なものは言語を超えて実装するエンジニア

ー 一緒に働くエンジニアに持っていてほしいマインドセットはありますか?

自分の感覚では、10Xってこれから変化がたくさんある会社だと思っています。完成された会社ではなく、まだまだたくさんの変化を控えているフェーズ。5年後はFlutterを使っていない可能性ももちろんあります。なので特定の技術だけやっていたい、という人よりは、プロダクトで必要なものを適切に選択して実装したい、というマインドの人と一緒に働きたいですね。いろんなことに挑戦してみるのは楽しいですよ!ぜひ一緒に働きましょう〜〜!!


オフサイトではボードゲームを通じてチームビルディングをすることも。

ー 最後に、最近の趣味や注目していることがあれば教えてください。

Flutterが趣味です!リポジトリを眺めたり、最近はこういうライブラリがあるんだな〜とか。お休みの日は、気になったライブラリのIssueを眺めて過ごしています。

ー ありがとうございました!

(取材・文 / 伊賀あゆみ

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